蓼 つづみ

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12/21/2025, 11:57:32 AM

…軋んで、壊れそうだ

碧く熾り続ける灰が、
保てる臨界点を超えて、
尚も、降り続いてしまう

その引力は、強すぎて
下手に、言葉をかけられない

言葉をかけた瞬間、
僕も君も、逃れられずに
引きずり込まれてしまうのが、
わかっているから

想いは深く、
胸へと、自然に落ちる

でも、口に出せば、
その境界は、溶けてしまう

だから、黙っていることが、
唯一の祈りであり、
抵抗なのだ

黙っているうちに、
何か大切なものが、
埋もれてしまわないか、
案じてしまう

題 降り積もる想い

12/21/2025, 9:58:47 AM

生を共にしようという申し出は
未来を結ぶようでいて
本当は
それまでの時間を
どう扱ってきたかが
滲み出る瞬間だ

噛み合わないまま
差し出された結び目

気持ちは
置き去りにされた

それでも
時間は角を落とし
その結び目を
ほどかず
裁かず
抱えたままにした

円満は
時間を丸く整えようとする
円滑は
今を滞らせずに流す

ふたりは
円満でなくていい
円滑であればいい
その流れの中に
温かみは
あとから
生まれる

題 時を結ぶリボン

12/19/2025, 11:25:02 PM

ひとがいっぱいいる。
風はつめたいけど
光があったかい。

おおきな手は、
見る前から出てる。

指はそろってない。
うまく掴めない。

触れたら、
あ、これ。
ぎゅってしない。
落ちないって知ってるから。

歩く。
足が早くても、
ひっぱられない。

つまずいたら、
上にいく。

上を見なくても、
連れていってくれる。

どこに行くかは、
まだわからない。

ざらざらな指
握ってみると
ぎゅっと返ってくる。

題 手のひらの贈り物

12/18/2025, 9:27:14 PM

あなたの痛みを
わかろうとするように
私の痛みも
見てください。

この言葉は
私の中に常にある。
誰にも渡さず、奥にしまってきた。
軽く扱われては溜まらない。

すべてを分かることはできない。
だから、分かろうとする姿勢が欲しい。

世界で
誰か、たったひとりだけでいい。

けれどこの祈りは、
高い理想として抱えているのだと、
大人になって、知った。

別の物差しで測られ
見当違いな理解もあった。

それでも
その奥を叩き続けたら
ひらけた場所も、あった。

分かろうとする姿勢は、
わからなさを血の滲む手で
咀嚼した先にある。

題 心の片隅で

12/18/2025, 4:44:08 AM

足跡がつく前の雪。
「私はこういう人間だ」と
言わされる前の、君。

守られても、隔てられてもいない白。
意味を引き受ける前の、ただの在り方。

沈黙ではない。
語られないままの白さ。

意識の輪郭が生まれる前。
期待も、評価も、役割も、
まだ触れていない。

名を持たない感情が、
確かにそこにある。

雪の静寂はやさしく、
同時に少し残酷。

降りしきるあいだ、
遠くと近くは溶け、
時間は粒になる。

白い面に残るのは、
何も起きていない、という気配。

忘却ではない。
抱えきれないほどの、前触れ。

世界は黙る。
土も、水も、芽吹く予感も、
雪の下で息をひそめる。

踏み入られない雪。
まだ誰のものでもない場所。

世界に名を与えられる前の、
完全な白さ。

題 雪の静寂

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