8/19/2022, 11:36:24 AM
お題《空模様》
黄昏のワンピースを纏う。
鮮やかな朝焼けのあなたは、気に入ってくれるかな。
月の彼は「君によく似合う。ちょっと妬けるな」と、面白がってるようだったけど。
星々の少女たちは。
「きれいねぇ」
「いいないいな、黄昏姉さん。私たちも綺麗なお洋服着たいわ」
「朝焼けの彼とはうまくいってるの?」
「こらだめでしょ! 黄昏姉様が困ってるよ」
にぎやかな少女たちの声に、黄昏は苦笑いをするしかなかった。
月の彼はやれやれといった様子で、瞳から涙を落とす――瞬く間にそれは、三日月モチーフの青いピアスとペンダントに様変わりする。
まるでそれは魔法のように。
「青は幸せの色。応援してるよ、いつでも僕の心は君の心(そば)に」
「ありがとうみんな」
黄昏の彼女は、一番いい笑顔でお礼を言った。
朝焼けの彼への想いを胸に抱きながら。
8/17/2022, 12:22:02 PM
お題《いつまでも捨てられないもの》
すっかり色褪せてしまった文字。
何度も何度も見返した。
たとえ遠く離れていても僕らは、ずっとずっと一緒だ。
季節の花々を栞にして同封したり。
そこそこの名産品を。薔薇と蜂蜜のお酒、シロップ漬けにした果実、香草焼き、月魚の燻製――月の魔力が一番強い夜にだけ、それらを食しながら手紙を読む。
何千何万と交わした言の葉。
今日も弟子が手紙と紙包みを持って、愚痴るのを笑顔で聞く。
「紙なんか貯めて、一体どうするんです? 読んだら不要でしょうに」
「ただの紙切れが、僕にとっては一番の宝物なんだよ」