たーくん。

Open App
11/18/2025, 10:18:25 PM

薄暗い部屋で静かに火が灯るランタン。
壁には、若い時の私の影が映っている。
あの頃はヤンチャで色々好き勝手にやっていたな。
懐かしい記憶が、次々と蘇っていく。
しばらくすると、影は形を変え、太っていた中年時代の影になる。
好きな物を食べ、酒をよく飲み、女遊びをよくしていたな。
女の影が現れ、ビンタされて、痛がる私の影。
……遊び過ぎて、当時付き合っていた彼女にフラレたことを思い出す。
それから新しい彼女は出来ず、ずっと独身のままだ。
影はまた形を変え、現在の顎髭の伸ばした老人の私になる。
懐かしい記憶を見せてくれるというランタン。
色んな記憶を見せてくれたおかげで、沢山思い出したよ。
もう、心残りは……ない。
忘れないうちに、行くとしよう。
私は目を瞑り、あの世へと出発した

11/17/2025, 10:16:27 PM

冬へ
どうして急に寒くなるのですか?
寒くなったと思ったら、気温を上げて暑くしないで下さい。
服装に困るし、気温差で体調が悪くなっちゃいます。
寒くなるなら寒くなるで、気温は下げたままで上げないで下さい。

今年も冬に手紙を送ったが、相変わらず返事が来ない。
冬はきっと、すごく冷たい奴にちがいない。
そう考えながら空を見ていると、冷たい風がヒュ〜と吹いた。

11/16/2025, 10:15:44 PM

夜空に浮かんだ真ん丸の満月。
俺達が住む世界をじーっと眺めている。
「今日のお月様、すごく綺麗だね」
夜空を見上げながら言う彼女。
月の光に照らされた彼女は、月に負けないぐらい綺麗だ。
「どうしたの?私のこと、じーっと見て」
「月より君の方が綺麗だなぁって思ってさ」
「んもー!やだー!恥ずかしい!」
そう言って俺の肩を叩く彼女。
力が入っていて、まぁまぁ痛い。
多分、照れ隠しだろう。
「でも、君もかっこいいよ?」
「えっ――」
言い返そうとした瞬間、彼女の顔が近づいてきて、唇を重ねられ、塞がれる。
俺達は月の光に照らされながら、二人の世界へ入っていった。

11/15/2025, 11:12:58 PM

空からこぼれ落ちてくる木漏れ日。
光を浴びた花と草は、元気よく背を伸ばしていた。
俺も元気を分けてもらうべく、花と草に混ざって光を浴びる。
「んー……」
思わず背伸びをしてしまう。
自然の中で浴びる太陽の光は気持ちいい。
心が穏やかになるし、パワーが貰える。
その証拠が、足元に生えている立派に育った花と草だ。
仕事で疲れた時やストレスが溜まった時に、こうして自然の中へ来るようにしている。
やはり、自然に触れるのが一番いいと思う。
もう少し、このまま光を浴びていよう。
時間を忘れて、自然の空気と太陽の光をたっぷり堪能した。

11/14/2025, 10:58:22 PM

授業が終わり、一気に賑やかになる教室。
席を立ち、幼馴染みの席へ向かう。
「ねぇねぇ、今日は一緒に帰ろ?」
「ん?ああ、分かった」
あくびしながら答える幼馴染み。
猫があくびしたみたいな顔で可愛い。
ささやかな約束をして、席へ戻った。

放課後、幼馴染みと一緒に帰ろうとしたけど……担任から用があるから職員室まで来てほしいと言われてしまう。
「ごめん。職員室に行かないといけなくなっちゃったから、先に帰っていいよ」
「ん?ああ……ふあ~~あ」
背伸びしながら、大きなあくびをする幼馴染み。
昨晩、ゲームに熱中し過ぎて夜更かししたらしい。
幼馴染みにバイバイして、職員室へ向かった。

窓の外はもうすっかりオレンジ色。
用はすぐに終わったけど、別の話をしていたら結構時間が経ってしまった。
暗くなる前に早く帰らないと……。
下駄箱に着くと、出口に長い影が伸びていた。
影の持ち主は……幼馴染み。
先に帰っていいよって言ったはずなのに、どうして?
「まだ帰ってなかったの?」
「ん?ああ……あれからまた寝ちゃってな。気がついたら夕方になってて、今から帰るところ。一緒に帰るか?」
幼馴染みはそう言って、わざとらしいあくびをする。
もしかして、私のこと待っててくれたのかな?
だとしたら、すごくうれしい。
幼馴染みの元へ、小走りで向かう。
「うん、一緒に帰ろっ」
外へ出ると、夕陽が私達のことを遠くから見ていた。
地面には、私と幼馴染みの影が並んで伸びている。
うれしくてはしゃぎたい気持ちを抑えながら、幼馴染みと一緒に帰路に着いた。

Next