思わず目を瞑ってしまうような
白と青に埋め尽くされた眩しい世界を眺める
その場所がどこでいつ行ったのか覚えてはいない
ただ目を指すような青い空を覚えていた
心の奥で思い出すその情景は
ネットや本で見る写真よりも鮮明で印象的で
いつの日か探しに行こうといつも思っていた
でもその思いは叶わず社会という現実が立ち塞がって
いつしかその情景も忘れ去ってしまった
会社の出張で飛行機に乗り青空と雲を見る事もあって
最初こそ「いつかあの景色が」って考えていたけど
幾度も繰り返すうちにそんな心は乾いて
仕事の疲れを癒すため窓を覗くこともやめてしまった
気がつけば出張は終わり会社に戻って仕事をして休んでを
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
終わることなく繰り返す
一瞬の気の迷いなのか何かが壊れたのか
気がつけば摩天楼の頂上で
下を向き前に歩く
一歩、一歩進む度に今までの人生を思い出す
あと数歩と言うところでふと
今まで忘れてしまった情景が鮮明に思い浮かぶ
何故今なのか、本能が引き留めているのか
だが考えてるうちにも身体は勝手に動いていく
あと一歩そう思い前を向く
そこには幼い頃思い描いた白と青で埋め尽くされた世界が広がっていた
いつか見たいと思っていたその景色が眼前に広がる
夢にまで見た青の景色
「ああそうか、この景色夢で見たんだ」
その景色は徐々に遠ざかり灰色の額縁に飾られた
燃え残った炭と灰は風にさらされる
一つだったその物体は無数の塵となり空を舞う
行く宛も無く彷徨って居たそれは夜の闇に消え
四方八方に散りまた歩き出す
幾度いく手を阻まれても歩き続けたその存在は
光に負けず風を味方に止まる事なく突き進む
気がつけばその存在は空を歩き風となり
赤く燃える光の中で白く消えた
正直俺はメンタルが強い方じゃ無い
強くなろうとも思わなかったし変わる気も無かった
変わらなくても周りが変えてくれるだろう
そう言う甘い考えを持って生きてきた
短い人生の中で3回人に嫌な事をされた
1回目は自分の愚かさから
2回目は自分の相手の愚かさから
3回目は相手の愚かさから
こんな綺麗に推移して行くなんてフィクションだって
そう思いたかったけど現実で
失った物は友達と他の人間への信頼だった
正直3回目の嫌な事で生きる意思を失った
でもその3回目が起こって1ヶ月ぐらいした頃
ふと自分の人生を振り返る気になった
変わる気が無いって思っていた自分はしっかり変わっていた
その3度の別れで確実に俺は成長していた
これまで歩いてきた道は確実に俺をつくり治してくれてる
どれだけ嫌な事があっても前を向いて歩くべき
なんてそんな明るい事は言えないけど
小さな絶望を一つ一つ乗り越えて生きていこうと思う
そこは果たしなく地面が続く場所
自分以外の物は無くひたすら歩き続ける
飢えもせず乾きもせず疲労もしないその身体は
果てしなく真っ直ぐに歩こうとする
歩き出した時周囲は暗く
空には星々が輝いていた
その星々は「君は1人じゃ無い」と言っているようで
上を見上げるたび励まし自分の居場所を教えてくれた
夜が明けた
共に居た星々は消し去られ
その眩さと熱から思わず歩く事を辞めかがみ込む
まっさらなこの地上ではその存在は異物で
その光を一身に浴びたその存在は
最後の光と煌々と輝き地上から姿を消した
本来希望をもたらすその光は
小さな光を掻き消し異物を焦がす絶望となった
ふとした瞬間君はそこに居た
物心ついたというべきだろうか
記憶を辿ると必ず君がそこに居る
苦楽を共にし
私が楽しいと思う事は君も楽しい
君も楽しいと思う事は私も楽しい
まさに以心伝心
これ以上の親友は居ないと思う
君を友達に紹介したい
しかし君は私の友達を前にすると姿を隠してしまう
友達には親友が居ると言っても信じてはくれない
親友の話をするにつれ私は孤独になって行く
だがそれでも構わない
私には君が居るのだから
そう思いいつもの場所で語りかける
隠れてないで出ておいで
今日からは君だけが私の親友だ
帰ってくるのは静寂だけ
私は孤独にさらされる
その孤独を知った時
親友と思っていた君の存在が消える
記憶を辿っても君に辿り着けない
「君」という名前だけ残して私は取り残される
全てはふとした瞬間に