凍える指先
指先の感覚
指先を寒さに握られる
私の指先なのに私の言うことを聞かない
なぜ人間には暖房機能がないのだろう
発熱は普通に体調不良なので横に置くとして
「寒い」ときになぜ
「暖かくなる」という条件が体につかなかったのだろうか
それはきっと
人間を孤独にするためだ
人は助け合わないと生きていくことができない
助け合いは心を温かくする
その温かみは決して
自己発電でまかなえるものではない
そうでなければ
あなたと握った手が
こんなにもあたたかいと感じることができないじゃない
白い吐息
寒暖差の絵の具
息が視界になる冬という季節
寒さは嫌いだけど
白い吐息を作る瞬間は好きだ
白い吐息を吐く人の心が
温まっている証拠だからだ
太く、長い、息の線
今年の冬は暖冬ではないらしい
贈り物の中身
贈り物の箱は…
正直に言って箱しか見たことがない
レジのそばにあるラッピングの包装案内
基本的、送る側だった私には
贈り物自体に馴染みがない
アニメで見たような箱のプレゼント包装なんて
記憶がない
友達からもらった袋のラッピングまでがせいぜい記憶に残っている程度だ
だから贈り物の中身と言って
思い浮かぶのは
友人数人からの誕生日プレゼントくらいである
中身は文房具が多かった
子どもの頃はおもちゃが欲しかった
ゲーム機は自分で買った
大人になってから
誕生日プレゼントが欲しいなんて
言えるわけがなかった
子どもの頃からサンタクロースはいないと言われた
だからプレゼントに期待しなかった
贈り物の中身は
しょんぼりとした自分の顔だった
凍てつく星空
星は生きている
数光年レベルの光が今
私たちの元に届けられている
凍てつく星空は
冬になって本領を発揮し始めた空だ
空気が澄み、人々の感覚も澄み
そんな中で輝きを放つ星空を
誰が見上げないというのだろう
寒さの中に一つ、二つと星が光り始めたときの
感動たるや
私たち詩人はその感動を表現するのが仕事である
題材がなければ詩は書けないように
星だって光が届くと信じず光らなければ
私たちの目に届くことはない
愛する人と手を握ってみる星空ほど
澄んだ星空は存在しない
君と紡ぐ物語
2025年も残り1ヶ月
いや、この言い方だったら危機感がないからこう言おう
2025年も残り31日
ほら、ちょっと背筋伸びたんじゃない?
今年はいい出会いがあった
人生を変えるような……
いや、すでに大きく変わった年だった
今年杖をついて歩けるようになったはずなのに
随分と遠い出来事のように感じる
上半期は体を、下半期は心をリハビリした
いつも私はマイナスを書いてきた
それしか分からなかったから
でも今はプラスもゼロも書けるようになった
誰かさんのおかげで
出会ってようやく半年の誰かさんと紡ぐ物語は
まだまだ始まったばかりなのに
どこか運命のイタズラと思えるくらい
関係が出来上がっていた