寒い……。もう冬も近い……。
布団から出たくない……。
せめてあと五分……。
そんなことをしているうちにこんな時間になりました。
『凍える朝』
光があるから影ができる。
でも、影があるから光がわかる。
真っ暗闇にいる私をそこから引き摺り出してくれたのは、あなたという一筋の光だった。
光と影が一緒にいるなんて。そう思うこともあるけど。
あなたが、私と一緒にいたい。と、そう言ってくれるから。
私は、あなたの隣で、私でいられるんだ。
あなたは私のことを光だと、自分は影でしかないと嘆くけど。
違うんだよ。
私にとっての光はあなただった。
影のない人間なんていない。私だって影なんだ。
それでも、あなたが隣にいるから。だから、私は、あなたにとっての光でいられる。
私達は影であり、お互いにとっての光なんだ。
『光と影』
そして、これから始まるのだ。勇者の新たなる物語が――。
こうして物語を書き終えた。
まだ続きそうな終わり方ではあるが、要は打ち切りだ。なんとかまとめて、どうにか読めるものにはした。
この後勇者はどうしたのだろうか。どこへ行ってしまったのだろうか。
私にはわからない。
現実は、そしての先は何も無い。
勇者の旅はここで終わりだ。
『そして、』
「あら~かわいい」
とろけるような笑顔で自分を見つめてくる。
あぁ、ずっとこの笑顔をみていたい。
母であるこの人を、愛している。
こんな小さな体で、これだけ大きな想いを抱えている。
もし、このことを口にしたって、きっとみんな赤ん坊のかわいい愛情だって、真剣に聞いてくれないだろう。
それでも構わない。あなたに笑われたって構わない。
あなたに逢う為に、生まれ変わった。
今は小さな体でも、今度こそはあなたを守り続けると、溢れる気持ちを神に誓うよ。
『tiny love』
君の為にいろいろなものを用意した。
君専用の食器も用意したし、君が好きそうなものをたくさん並べた。休める場所も用意した。君の部屋も用意したよ。
「素敵な部屋ですね。行ってみたいです」
話の流れで部屋の写真を見せた時、そう言ったよね?
いつ来る? 僕はいつでもいいよ。
……ねぇ、なんでそんな顔するの?「時間ができたらそのうち」っていつ?
仕方ないから君を無理やり連れてくることにした。
ほら、素敵な部屋だろう?
かわいく飾り付けられた、窓も扉の内鍵もない部屋に、君はようやく招待された。
『おもてなし』