27(ツナ)

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3/12/2025, 10:53:00 AM

「終わり、また初まる、」

ピッピッピッ、ピーッ
あぁ、終わりだ。
『人類の皆様に、最後をお伝えします。皆様、ご苦労様でした。今日で地球は終わりを迎えます。消滅まであと数分、最後の時、どうか心穏やかにお過ごしください。』
サイレンから地球の終焉を知らせるアラームと放送が聞こえる。
今日で地球は滅亡する。
西の空から眩しくて直視できない程の強烈な光がこちらに迫ってくる。
あぁ、終わった。

しばらく経って目を開けると、また赤ん坊の姿に戻っていた。
「あぁ、また初まる。」
なぜか僕は滅亡前の記憶が残ってしまうようだ。
僕以外は知らない。
この地球がもう既に何度も滅びては再生を繰り返していることを。

3/11/2025, 10:50:54 AM

「星」

仕事から帰宅した時、たまに暗くなった夜空を見上げる。
あまりにも雄大で綺麗な星空に自然と感嘆の声が漏れる。
と同時に、自分の小ささを思い知らされる。

辺りの暗闇を利用して美しく強く輝きを放つ星。

私も夜空に光り輝くこの星達のように、もう少し強かに生きてみようと思った。

3/10/2025, 11:31:21 AM

「願いが1つ叶うならば」

病室の窓から日がな一日、空を眺めるのが日課になっていた。
わたしはもうすぐ、妻の待つあの空へと行くのだろう。
といっても、あちらで妻が待っているかどうかはわからない。

「願いが1つ叶うなら、何をお願いしますか?」
病室のテレビからそんな文言が聞こえてきた。
願い…か。
普通ならば、もう少し長く生きたいだとか、せめて苦しまずに、などと思うのだろうか。

わたしの願いはただ1つだ。
「どうか、空へ行った時、愛する妻が迎えてくれますように。」



いつの間にか意識が遠のいて、気づくと妙に明るく温かい空間にいた。
目の前には先立ってしまったはずの愛する妻。

「おかえりなさい。あなた。お勤めご苦労様でした。」

あぁ、願いが…叶った。

3/9/2025, 10:49:39 AM

「嗚呼」

「嗚呼、タイクツダ。」
貧乏書生は神田の街をフラフラ彷徨う。
今日も今日とて平和で退屈な、くだらない。
なにか事件が起こらないかとフラフラ彷徨う。

「おい!そこの。」
突然、誰かに呼び止められた。
「ワタシの名前はソコノではない。」
「そんな事はどうでも良い。暇なら手貸してくれ!」
「お?ナンダナンダ。事件か?事故か?」
「は?いや、この荷を運ぶのを手伝ってくれ。絶対に落とすんじゃねぇぞ!あーあと、絶っ対に中は見ないようにな。」
「ナンダ、荷運びか…。ん?何かクサイぞ。」
チラッと荷を盗み見ると、切断された人の四肢のようなものが見えた。

「嗚呼…オモシロクナッテキタ。」

3/8/2025, 11:12:53 AM

「秘密の場所」

俺の小学校には、自称・魔女の女の子がいる。
みんなは怖がったりバカにしたりしていたが、俺はなぜかその子が気になって仕方なかった。

ある休日、たまたま街中でその子を見かけ、不意に追いかけた。
街をぬけて草むらの中に入っていく、進むにつれ草は俺の身長よりも大きくなっていく。
すると、急に辺りが開けて1軒のレンガ造りの家があった。
その子はその家に入っていった。
ぼーっと眺めていると、玄関からその子が出てきて、俺に手招きした。
気づかれてしまい焦ったが、恐る恐る家に入った。
「あ、あの。お邪魔します…。」
「どうぞ。…手、貸して。怪我してるから。それくらいなら私でも治せる。」
「え?」
見ると、手の甲に切り傷があった。さっきの草むらで怪我したのだろう。

その子が、俺の手の甲に手を当てて少しすると、スパッと切れていたはずの皮膚が綺麗に繋がっていた。
「え!?」
「学校のみんなには内緒にして欲しい…。家の場所も。今日のことも。」
それ以来、彼女の秘密とあの秘密の場所は俺の秘密になった。

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