「どんなに離れていても」
「離れてても、ずっと一緒だよ!」
それが彼女の口癖だった。
会う度、同じことを言う彼女のことが最初は可愛いと思っていた。
しかし、次第に俺はそのセリフが鬱陶しく感じいた。
ある時、彼女と些細なことで喧嘩になってその場で解散した。帰り際、喧嘩をしたにもかかわらず「離れてても…ずっと一緒だよ。」
鬱陶しいあのセリフを言ってきた。
俺は全部どうでも良くなって、彼女から一切禁止されていた昔からの女友達に連絡をした。
会ってくれることになり、その場のノリで一晩だけ相手をしてもらった。
翌日、変な違和感と嫌な匂いに目を覚ますと、横で寝ていた女友達が血だらけになっていた。
ふと、部屋を見渡すと。 彼女がいた。
「離れていても、ずーっと、一緒だよ。」
そう言って彼女は返り血で染った顔で笑っていた。
「こっちに恋」
部活終わりに放課後のグラウンドから音楽室の窓を眺める。
音楽室の窓際にピョコっと人影が現れる。
俺はその人影に向かって、ボールを片付ける振りをして小さく手を振る。
周りにバレないように、ほんとに小さく。
本当は近くで色んな会話したい。
でも、気恥ずかしくて、周りにバレたくない。
相反する気持ちが渦巻く。
「こっちに来ないかな。君は、今何を考えてるんだろう。」
「愛にきて」
部活が終わって、楽器の片付け中。片付ける振りをして窓際に近づく。
グラウンドを探していると、恥ずかしそうに、ぶっきらぼうに小さく手を振る彼を見つけた。
私は周りにバレないようにコソッと手を振り返す。
本当はみんなに彼氏ってバラしたい。
でも、コソコソするこういう恋愛も楽しい。
相反する気持ちが渦巻く。
「会いにきて欲しいな。君は今、どんな気持ちなんだろう?」
「巡り逢い」
この世界の人間は何度も何度も死んでは生まれる"輪廻転生"を繰り返している。
ただ、前世の記憶を持つ人間はほとんどおらず、覚えていても成長とともに忘れてしまうらしい。
私も幼い頃、人より前世の記憶がハッキリしていたが、やはり成長とともにその記憶は遍く失われてしまった。
ある日、私は買い物に他県まで遊びに行き、そこで同い年くらいのある女性とすれ違った。
すれ違った瞬間、ビリッと静電気が走ったような不思議な感覚を感じて振り返ると、彼女も私を見ていた。
その瞬間、忘れていたはずの前世の記憶が走馬灯のようにバーッと頭の中を駆け巡った。
あれは、江戸時代。貧乏人だらけのボロ長屋の一室、彼女は私の妻だった。
妻と二人慎ましやかな生活を送っていた。
そんなある日、私は窃盗というあらぬ疑いをかけられ、冤罪のまま奉行所へ連行され、打首となった。
最後まで、妻は無罪を訴え私の首が切られる寸前まで泣き叫び、慈悲を請いていた。
私の記憶の走馬灯はそこで終わった。
私の目からは涙が流れ、人目も気にせず、彼女を抱きしめていた。
「やっと会えた。お礼を伝えたかった。最期までありがとう。」
「…貴方を救えなくて、ごめんなさい。会いたかったわ。」
彼女も記憶を思い出したのか、私の背中をギュッと抱き締め返し、涙を流した。
という、不思議な巡り逢わせのお話。
「どこへ行こう」
強引に君の手を取る。
「…どこに行くの?」
泣き腫らした顔と掠れた弱々しい声。
一体どれくらい泣いていたんだろう。
考えると苦しくなる。
だから私は笑って、君の手を取って進む。
「さぁ、どこへ行こうか?」
君の笑顔を取り戻す旅に出よう。
「big love!」
生まれて一番初めに「ありがとう」と言ってくれた。
いつも私の手を離さないで、そばで見守ってくれた。
新しい環境に戸惑う私に、心を鬼にして背中を押してくれた。
感謝してるのに、むしゃくしゃして酷いことを言ったりした。
文句ひとつも言わないで、毎日おいしいお弁当を作ってくれた。
1人で悩んでいるのに気づいて、静かに寄り添ってくれた。
本当は心配でたまらないのに、笑顔で送り出してくれた。
あれから月日は経ち、私も貴女と同じ立場になりました。
今までたくさんの大きな愛をくれてありがとう。お母さん。
私も貴女みたいなお母さんを目標に頑張ります!