溢れそうな涙を全力で引き止めた。
この部活でやっていくには、
私はあまりにも無力で臆病だった。
ここで私が泣いてしまったら、私はもっと成長できなくなる。
そう自分を咎め、 髪の鎧で泣きそうな自分を悟られないように覆い隠した。
やっぱり私は泣くには早すぎる。
この気持ちをかき消すように、震えている声で私は歌った。
ここまで歌うのが憂鬱なのは初めてだった。
いつものみんなで帰路に着いた。
漏れ出たため息も寒さでかじかむ指も構う余裕もなく空を見上げた。
周りのみんなに追いつけない———————
ここに私の居場所はない。————————-
前みたいに、みんなにかじかむ指を温めてもらう気にもなれず
ただポケットの中で耐えるだけだった。
笑い声がいつもよりも遠かった。
「凍える指先」ўциа
またいつもの3人だ。
それぞれ別の闇を抱えた3人。
孤独を抱える少女
恋に悩む少女
秘密を隠し続ける少年。
形の違う茨が巻きついた3人は、自然と互いに惹かれあった。
飲食店の中でまた、私たちは深く、永く語り合った。
彼氏の黒沼に満たされた世界に引きずり込まれそうになった彼女を、私たちは引き止め続けた。
ご馳走様でした。———-
ある程度話が一段落して外に出た時、
2人は満足感を感じながら、仲良く歩いていた。
やっぱり私は孤独だった。
2人の背中を前に、
私はただ凍てついた空にため息を着くことしかできなかった。
「白い吐息」ўциа
生気のない、からくり人形達の乗る電車の中。
電車の鼓動が心地よく私の体を揺すった。
暖房と黄色電球が着いているが、冷たい。
みんな下を向いて現実から目を背けていた。
誰もが皆。人形に見えるほど、世界は静かだった。
電車の外から瞬く光の粒だけが、
この世界が息をしていることを静かに告げていた。
「きらめく街並み」ўциа
「無理をしないで。」—————
「悩みがあるならいつでも聞く。」————
「あなたは抱え込む性格だから。」————-
「あなた。今抱えてるでしょ。」—————
ドキッとした。
正直、的をえていた。
だから否定もできず、笑うことしか出来なかった。
心の脆さがバレることが怖かった。
楽しめる時に楽しめる私は、甘えている。
本当は苦しくないんじゃないか。
そう考えることが怖くて、苦しいと自分で信じていた。
そんな私の想いを話しても、
慈しいあなた達なら聴いてくれるんでしょう。
そんなあなた達だからこそ、真実を伝えることを私が許さない。
あなたたちに私の本当の想いが伝わることは、
これいからもずっとないのでしょうね。
これは、あなた達には届くことの無い私からのメッセージ。
「秘密の手紙」ўциа
なんだろね笑。っと笑いながら部室を出た18時半、
そこには空1面から舞い落ちる雪があった。
夜、月明かりもないのに雪は白く淡く光っていた。
一緒にいた男子2人は、寒い寒い。と身を寄せあい、
すぐに中に入ってしまった。
そんな2人をおいて、私は冬の桜吹雪に心を踊らせていた。
寒いな——-
私も2人のように身を縮ませ、部室に入った。
3人揃って頭に雪を乗せ、笑っていた。
「冬の足跡」ўциа