あなたたちとたくさんの時間を過ごしましたね。
初めて教室で出会った時の雲も、
初めてご飯を食べに行った時の味も、
初めて一緒にカラオケに行った時の音も、
初めて一緒に映画を見た時の感情も、
初めてあなたたちと秘密を話し合った時の温度も、
言うのが怖くてはぐらかしたあの夜も、
ひとりで全てを諦めて逃げたあの日も、
全てが美しく、消えそうなくらい脆い思い出です。
これからもこんな日々を続けてくれますか?
私はこんな願いにも、ずっと軽い蓋をし
隠し続けようとするのでしょう。
もう、こんな蓋でもしまいこめてしまうこの想いたちに。
この、淡くぬるい泡沫を逃がさないために。
「美しい」ўциа
この世界は美しい。
空にきらめく数多の宝石。
光を飲み込み、たくさんの生き物を飼う、深く広大な水溜まり。
空に突き刺すように天高く盛り上がった地面。
私たちには聞こえない声で歌う生き物。
歴史を紡ぎ未来へと突き進む生き物。
この世界は本当に美しい。
それでも
この世界は何よりも残酷だ。
何回羽根を広げたって
足に着いた碇を抜けることはできない。
その度に私は自分の翼の小ささばかりを憎んだ。
夢は夢のままが1番良いと知っているのに
私は知りたい気持ちを止めきれずまた羽根を広げる。
美しく理想郷であるはずのここは、
私にとってはただの鳥籠であり、海底に過ぎなかった。
「この世界は」ўциа
私はここが、あなたが、大好きなはず。
そのはずなのに私はふと考えてしまう。
どうしてあなたばかり目を向けられるの?———
クシャクシャにしてゴミ箱に捨てる。
どうしてあなたたちが泣くの?————
海の奥深くに投げ込む。
何度も捨ててきた。
何度も何度も何度も何度も。
それでも、それらは新しい形となって戻ってきた。
どれだけ完璧に捨てていても、
その度にもうひとりの私は
その形を嫉妬と好意で直し、
私の手の届くすぐ近くへ還していった。
ねぇ。もう、やめてよ。
「どうして」ўциа
たまに、ふとこんなことを考える。
目を開けると周りには一面海しかない。
波が顔にかかって苦しく、生き物の気配は無い。
海は冷たくも暖かくもないちょうどいい温度で、
顔にかかる波の音は、息苦しいが、心地よく美しい。
苦しいのはひと思いにと諦めて目を閉じる。————
目を開けると海の上にある謎の建築物のすぐ近くにいる。
懸命に泳いで建築物に登る。
床はツルツルとしていて角が丸い階段が何個も建っている。
体がひえたら寒いだろな。お腹空くのかな。
そんな不快感と不安が心をよぎり目を閉じる。————
目を開けると道路の真ん中に立っている。
空は晴天だけど、現実味を帯びていない。
海外のようなピンクの壁の家が何軒があるが、人はいない。
ノイズを帯びた道を、行き宛もなく私は歩き続ける。
遠くに誰かがいて怖くて目を閉じる。————-
目を開けるとゲームセンターにいる。
電気は着いているが、人の気配は無い。
ゲームのBGMだけが鳴り響いて、ラップ音がたまに聞こえる。
お金も持っていないから何もすることがない。
足音が聞こえた気がして目を閉じる。————-
「ドリームコア」の世界に行ってみたい。
でもずっと出れないのは怖いから嫌だ。
それでも、もしあそこに自由に行き来が出来るなら、
私はずっとあそこにいるでしょう。
「夢を見てたい」ўциа
いっつも一緒にいた私たち。
これからもずっと一緒にいれると思ってた。
そんな思いは、私の願いでしか無かった。
大好きなあなたたち2人は両想いだった。
私は、どうしても
心から喜ぶことができなかった。
このままでいたいと思ってたのは私だけだった。
酷く、偏った自分の本音を、私は飲み込めなかった。
このままずっと、気づかないで。
そばに居て。—————-
私はどこまでも傲慢でわがままだった。
2人を思って流れた雫は祝福の色なんかじゃなかった。
心でずっと願っていた2人の幸せは、
本当は私を苦しませるものだと気づいてしまった。
本当に私は。どこまでもわがままで傲慢で醜かった。
「幸せとは」ўциа