バレンタイン』の作文集

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バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/15/2026, 5:12:02 PM

――どうしよう。

不安げな聲に、顔を上げた。
時計を見れば、夜の十一時を過ぎている。何かあったのかと、意識を集中させる。
彼女の心の聲は、日に日に強く感じられるようになってきていた。今更意識を集中させる必要はないが、いつの間にか癖になってしまっている自分に苦笑する。
本当ならば、聞くべきではないのだろう。彼女が助けを必要としている時にだけ聞き取れるのならそれが一番だ。そうは思うのに自分のこの生まれ持った能力は儘ならず、それでいいとすら思うようになってしまった。

――割れちゃった。

今にも泣き出しそうなか細い聲。眉を寄せ、カレンダーに視線を向けた。

二月十四日。
明日は土曜日で学校はない。そんなどうでもいいことを思いながらも、日付から目を逸らせない。

「バレンタインか」

思わず呟いた。口の端が持ち上がるのを止められない。
彼女とは明日会う約束をしている。果たして気づかない振りができるのか、彼女が切り出す前に余計なことを言ってしまわないかと、浮ついた思考が止まらない。
割れたというのは、きっとチョコレートのことだろう。また作り直すのか、それとも割れたままのチョコを渡されるのだろうか。
きっと落ち込んでいるのだろう。今すぐ気にするなと連絡をしたいが、それでは聲を聞いていたことが丸わかりだ。バレンタインチョコを楽しみに盗み聞きをしていたようで、恰好がつかない。スマホに伸びようとする手を握り締め、必死に衝動を抑え込む。
もう寝てしまおう。どちらになるのか分からない楽しみはあった方がいい。彼女の聲から意識を逸らしつつ、電気を消してベッドに横になる。
遠足前の子供のように浮かれながら、目を閉じた。

――食べちゃった……どうしよう。

聞き逃せない聲が聞こえた。反射的に目を開け、体を起こす。

「食べた……?」

嫌な予感が胸を過ぎた。

――仕方ないから、忘れた振りをしよう……大丈夫。ずっと忘れてたって思ってれば、きっとバレないはず。

浮かれていた気分が一気に萎む。彼女らしいと言えば彼女らしいが、それでもどうしてという不満が込み上がる。

「明日、どんな顔して会えってんだよ」

苛立ちを溜息と共に吐き出せば、空しさが残ってしまう。
彼女は自分が心を覚れると理解して、忘れた振りをしようとしている。それなら自分も聞いていない振りをしなければ、彼女の努力が台無しになってしまう。
もう一度大きく溜息を吐いて布団を被る。目はすっかり冴えてしまったが、無理矢理に眠ることにした。



「ごめん!待った?」
「別に」

駆け寄る彼女を一瞥し、一言返す。
内心で舌打ちする。機嫌が悪いと思われていないだろうか。いつもならば気にならないことがやけに気になってしまう。

――怒ってる?でもいつもと変わらなそうだし……もしかしてまだ気づいてないのかな。

聞こえてくる聲と、そわそわと落ち着かない彼女の気配に眉が寄る。溜息を吐いて、彼女に視線を向けた。

「あからさまに何かありますみたいな雰囲気を出されても困るんだけど」
「あ、えっと、その……」

途端に視線が彷徨う彼女に、もう一度溜息を吐いてみせる。びくりと肩を揺らすが何かを話す様子はない。彼女の聲もどうしようと繰り返すばかりだ。
このままでは、いつまで経っても何も進まない。仕方がないとポケットに手を入れ、小さな箱を取り出した。

「これやる」
「え……?」

軽く放り投げれば、彼女は慌てたように両手でその箱を受け取った。一応綺麗にラッピングされている箱とこちらを交互に見て、戸惑うように眉を下げた。

「開けてみれば?」
「え、いいの?」
「好きにすればいいだろ」

また不愛想に返してしまった。だが彼女は箱の方が気になる様子で、迷いながらもリボンを解いていく。
丁寧に包装紙を剥がし、箱を開ける。中に入っていた蝶の髪留めを見て目を見開いた。

「これって……」
「この前遊びに行った時、ずっと見てただろ」
「っ、ありがとう」

微笑む彼女からさりげなく視線を逸らす。聞こえる聲はとても嬉しそうで、気を抜けば口元が緩んでしまいそうだ。
折角のバレンタインを何もなく終わらせるのが嫌で別に用意していたものを持ってきたが、喜んでもらえたようで安堵する。別にチョコレートにこだわる必要はなかったと、一人満たされた気持ちで彼女を見た。

「何?気に入らなかった?」
「そんなことはないよ!ただ……」

慌てて否定するものの、さっきまで笑っていた彼女の眉が寄っている。何故プレゼントを貰えたのかが分からず、戸惑っている聲が聞こえてきた。
確かに急すぎただろうか。バレンタインのプレゼントだと伝えてもいなかったと思い出し、やってしまったと密かに息を吐いた。

「今日、バレンタインデーだろ。元々誕生日プレゼントにしようかと思ってたやつだったけど、チョコ代わりにいいかなって持ってきたんだよ」
「え……」

一瞬不思議そうに目を瞬いた彼女は、次の瞬間には泣きそうに顔を顰めて持っていた鞄を漁り始めた。そして中から手のひらサイズの袋を取り出した。

「これっ!」

押し付けられるような形で袋を渡される。可愛らしいピンク色のリボンの巻かれた透明な袋の中には、少し形の崩れたチョコレートやクッキーが入っていた。
明らかに手作りのお菓子に目を瞬く。昨日食べたと言っていたはずなのに、いつ作ったのだろうか。

「ハッピーバレンタイン。驚かそうと思って必死に忘れたとか頭の中で考えてたのに、全然うまくいかなかった」

俯きがちに彼女が言う。何故そんな反応をするのだろうか。訳も分からず手にしたバレンタインのプレゼントを見ていると、泣きそうな彼女の聲が聞こえてきた。

――どうしよう。変なことを考えてたから、私のお誕生日に一緒に過ごしてもらえなくなっちゃった。このまま嫌われちゃったりとかするのかな……。

予想もしていなかった聲に硬直する。嫌うはずなどないのに、彼女は何を考えているのだろうか。
思わず溜息を吐く。びくりと肩を揺らす彼女は、今にも泣き出してしまいそうだ。

「馬鹿なことを考えるのを止めろ。それを覚る俺の気持ちにもなれ」
「でも……」
「まず、俺がお前を嫌いになる訳はないし、お前の誕生日は一か月も先だろうが。その時には別のプレゼントを用意してちゃんと祝ってやるから、それ以上嫌われたくないとか繰り返すな」

手を伸ばして彼女の頭を撫でる。それだけで泣きそうだった顔がふわりとした笑みに変わった。
頭を撫でていた手を取られ、繋がれる。そのまま軽く手を引かれ、隣に並んで歩き出した。

「今日はどこに行くんだ?」
「公園、とかかな。一応味見はしたから大丈夫だとは思うんだけど、チョコとクッキーの感想が聞きたいから」

何気ない振りをしているが、味の感想が気になって仕方がないのだというのが態度から分かる。
相変わらず分かりやすい。堪え切れなかった笑みが浮かんで、袋を見た。

「正直な感想しか言わないから、覚悟しとけよ」

そう言いながら、きゅっと繋いだ手を握る。
素直になれない自分も相変わらずだ。
本当は自分のために作ってくれたお菓子を食べるのがもったいないと思っていることを、いつ彼女に言えるだろうか。



20260214 『バレンタイン』

2/15/2026, 10:20:44 AM

今度はアダルティなびーえるで。


「なにそれ」
広めのソファーに横たわりだるそうに机の上のお洒落な袋を視線で示しながら聞いてくる同居人。
「あぁ、これ?」
その袋を摘み上げて見せる。
「バレンタインのチョコレートだって」
「誰にもらったの?」
「同じ大学の…」
説明しようとして冷たい視線を送られてる事に気付いて慌てて付け足す。
「お前にだよ。渡してってさ」
毎度のことだけど参っちゃうよね。苦笑しながらソファーの彼を見ると不機嫌な顔と視線がぶつかる。
「お前はそれを受け取ったのか?」
「そだよ、ダメだった?」
いつもより声が低い。
「別に…」
今日の彼は機嫌が悪い。
何かしたのだろうか。
「食べてみる?何だか美味しそうだよ」
シンプルだけどお洒落な装飾で包まれたそれは送り主のセンスの良さが伺えた。
渡した本人も美しいひとだった。
思わず受け取ってしまったけど本当は…。
無言でずっと見つめられていて居心地が悪い。
こんなもの受け取らなきゃよかった。
恨めしくチョコレートを睨みつけてしまう。
「食べさせて」
突然破られた沈黙に聞こえて来たその言葉を理解出来なくて無言で彼を見返してしまう。
「食 べ さ せ て」
ゆっくりと低い声で一字ずつ丁寧に発音される。
食べさせて。
脳内でまたゆっくりそれをなぞって信じられなくて自分を指差してそれから彼を指差す。
それを見届けた彼は目は笑っていない意地悪そうな微笑みで持って頷いてみせた。
「いや、でも…ねぇ」
もはや何て答えていいか分からずに訳もわからない言葉を発してしまう。
「いいから、早く」
声がより一層低くて怖い。
おずおずと綺麗に飾られたその箱を開けてみる。
一つ一つが丁寧に作られた豪奢なチョコレートたちが並ぶ。
その中のひとつを摘んで彼の元へ行き口元へ運ぶ。
彼はちらりとこちらを見上げそのまま俺の指ごと口の中に含んだ。
指に絡みつく熱に手を引こうとするが手首を掴まれて取れない。
そのままさらにねっとりと舌でなぞられる。
俺を見つめたまま離さない。
しばらく執拗に指に絡み付いていたその舌からやっと解放された。
「甘すぎる…」
「チョコレートだからね」
動揺を気付かれまいと舐められたその指先を後ろ手に隠しながら何でもないように答える。
「まだ…」
「甘いって言ったのに、また食べるの?」
「早くよこせ」
目で指図してくる。
仕方なくまた一粒口元に差し出すと。
「そうじゃないだろ」
俺の唇をそっと指でなぞって笑う。
「それはちょっと…」
逃げの態勢に入る俺の腰を逃げれないように掴まれた。
近づいて来るその顔に逃げるように自分の口を手でカバーする。
「手をさげろ。キス出来ねぇだろ」
真っ直ぐ射抜くような視線で命令されて仕方なくおずおずと手を外すと、それと同時に俺の手から奪われたチョコレートを口に含んでそのままキスされた。
閉じてた口の間にねじ込むようにチョコレートが入って来て甘さが口の中で広がった。
中からとろりと流れ込むアルコール。
甘さと熱さを味わってるとそこに割り込んでくる彼の熱いその舌が。
俺の口内を自由気ままに蹂躙する。
押しのけようとしてもどこまでも追いかけて来て絡まれ吸われる。
息も上手く出来ないままむしゃぶり尽くされてやっと解放された。
「やっぱり甘すぎるな」
自分の口を舐め上げながら呟く彼に酸素が足りない俺は反応が出来ない。
「お前相変わらず息継ぎ下手くそだな」
離さないのは誰だよ…!!と言いたいけど疲れて声が出ない。
恨めしい視線だけ送った。
いつの間にか機嫌も治ってるし。
「なに…?」
にんまり笑いながらなおも近づいて来る彼に逃げようとしたけど遅かった。
「チョコもいいけどやっぱり俺はこっちがいいな」
そう言って引き寄せられてまた深い口付けをされる。
いつ終わるかも分からない口付けにめまいを感じながらそのまま目を閉じた。


                (バレンタイン)
昨日フライングでバレンタインネタをあげた直後のこのお題発表…。1人戦慄するあたし。
そんなにバレンタインネタなんかないよ!!!(笑)

2/15/2026, 10:18:17 AM

バレンタイン
                2月15日日曜日
 恨めしい物事は、たくさんある。酢酸で赤く染められたリトマス試験紙の数と比べても、劣らないくらいには、たくさん。
 例えば、思い出を覆い隠すように はびこった雑草。例えば、黄ばんだ本ばかりの古本屋。例えば、止まない痛みに、効かない薬。あとはそう、目が合ったなり不躾に「チョコは?」と聞く君の身勝手さ。そういう事象に直面すると、生きる心地が悪くなる。
 それでも世界を憎めないのは、ドクダミ​をかいくぐって咲いたあのシロツメクサが、あまりに綺麗だったから。たった二百円の本を、たった三冊買った時、あの店主は、満面の笑みをしていたから。苦しそうな不調の友に、カイロを手渡すことは出来たから。むしろ世間が好きと思えたのは、リトマス試験紙を石灰水に浸しながら「顔色悪いよね、大丈夫か」と言う、君の存在があったから。
 今日のためにチョコレートを作ることは叶わなかったけれど。リトマス試験紙は、液体に浸すものじゃないけれど。
 心から、ハッピーバレンタイン。

2/15/2026, 10:02:14 AM

「バレンタイン」

年に1回しかない特別な日!
けれど、人の思いはそれぞれ‥‥
恋人と過ごすのもよし‥‥
長年より添った、母ちゃんと過ごすのもよし‥‥

自分にしかない、素敵なひと時を!

2/15/2026, 9:55:41 AM

『バレンタイン』

君ってさ

甘いときもあれば
ほろ苦いときもある
すぐ溶けてなくなるくせに
ほんのり奥歯の奥にいる感じ
どんなものでもなんか馴染んで
気軽にも特別にもなれる

そんな君が
手離せなくなったみたい

2/15/2026, 9:54:35 AM

バレンタイン。

中学生の時のバレンタインの日に、同級生の愚か者からひどいイタズラをされた。
それ以来、この日は嫌い。
その愚か者は雨の日に人の傘を盗む事をする。
そんな奴は幸せになれない。
さんまさんは真のバレンタインデーは本命チョコを一つもらう事。
または、手づくりチョコよりも市販の方が美味い。
とおっしゃっていた。
この言葉にどれだけ救われたか…。
所詮、バレンタインデーはお菓子会社が作った金儲けのイベントなんだから…。
慰めにならないかもしれないが、貰えなくて寂しいと思っている人は自分で好きなチョコを買えばいい。
それが自分への唯一のプレゼントになる。
本命チョコレ−トを貰った人、または渡せた人はおめでとうございます。
貰えなかった人、または渡せなかった人は来年は貰える事、渡せる人が現れる事を願っています。

2/15/2026, 9:53:43 AM

「バレンタイン」

 君に渡すはずだったチョコレートは、バレンタインを過ぎてもまだ私の手元にあった。行く場所を失ってしまったチョコレートは、所在なさげにポツンとテーブルに置かれている。
 君はいくつのチョコを、何人の女の子から貰ったのだろうか。

2/15/2026, 9:47:53 AM

たくさんたくさん食べれる日と
君は楽しそうにチョコを頬張る
美味しいか、と問えば
思ったより、なんて
「君が美味しそうにしてたから
 ずっと興味があったんだ」
黄金の日射しに燦めいた
もう無い尾耳を幻視した

‹バレンタイン›


待ち合わせをしようか
あのゴールテープみたいに
できれば一緒にいきたいけど
でもきっとそうもいかないから
待ち合わせをしようか
あの川の前 船に乗る前に
どんな人生だったかきっと
たくさん話してから来世に行こう

‹待ってて›


新しい店ができて
そこのケーキが美味しくて
新しい家ができて
そこがすごく心地よくて
新しい道ができて
そこを色んなモノが通って
新しい国ができて
そこもやがて滅んでいって
新しい星ができて
そこに次の生命が芽生えても

あなたに会いに行けなくて
あなたに巡り会えもしない

‹伝えたい›

2/15/2026, 9:39:10 AM

女性から渡すのは、日本だけなんだって(多分)他の国は、男性から渡すらしいよ。かっこいい男になりたい。日々の積み上げ頑張ります。

2/15/2026, 9:29:50 AM

バレンタイン

チョコレートが苦手で
全く食べられなかった時期があった
そんなことに関係なく2月14日は来て
ありがたく頂くこともある

苦手なものやことをさりげなく伝える方法って
すごく難しいなと思う

自分の当たり前は他人の非常識
自分が譲れない「〇〇すべき」は
他人にもまた別のものがあるのだろう

その他大勢から離れるとき
少し怖いけど
少し楽しくもある

2/15/2026, 9:10:44 AM

(題目しらず)

春というのは…

好きな季節のはずなのに
何故こんなにも嫌なのだろう。

2/15/2026, 9:08:38 AM

〜先に告知〜
本日は異世界系をお届け致します。
皆様御期待してくださると嬉しいです( *´꒳`* )
では19時までお待ち下さいm(_ _)m

2/15/2026, 9:04:22 AM

デパートの地下を通ると、たくさんのかわいい缶が並んでいた。よく見るとチョコレートを入れたものだった。

 缶入りが流行っているらしく、色々な種類がある。どれも趣向を凝らしてあり、かわいらしい。思わず缶のデザインばかりを目で追ってしまう。チョコレートを食べた後、このサイズだったら何を入れるかな、なんて考えていた。

 自分用に一つ買おうと思った。缶を選びながら夢中になる。目移りしながらも、美しい花の絵がついた小さな缶を選んだ。丸いチョコレートが二つ入っていた。

 大切に袋を抱えて外に出る。マフラーを巻くと、ふわりとチョコレートの甘い香りがした。

「バレンタイン」

2/15/2026, 9:04:06 AM

《バレンタイン》#12 2026/02/15

「これからも、友達でいてね」
 差し出されたのは、なんてことのない、スーパーのお菓子売り場(バレンタインデー特設コーナーではない)に陳列されている300円を少し切るくらいの板チョコだ。苺味の。そう言えば、100円台だったのは、いつの頃だったか。
「もちろん、優里」
 お返しに、と差し出したのは、形が宇宙船をモチーフにしたとかいう、子供が好きそうなチョコだ。苺味の。
「味、被ったね」
「被ったあ」
 二人して、同時に吹き出した。こんなやりとりを、かれこれ20年近く続けている。味が被ったのは、何回目だろうか。
 初めて優里からチョコを貰ったのは、幼稚園の時だ。あの頃は、仲良しの友達同士で交換するもの、という認識だった。
 二人の間で、意味が少し変わったのは、中三の時。優里が差し出してきたのは、包みにメーカー名がでかでかと書かれた板チョコだった。
「これからも、友達で…好きだから」
 ライクとラブの違いを深掘りしたくなるお年頃だったから、その好きが、どの好きかは聞き返さなくても、勘違いすることは無かった。
「うん、もちろん」
 こうして、私達二人は、友達より少し先の関係になった。

 で、ある時、尋ねたのだ。なんで、シンプルな板チョコだったのって。
「それはね、風美から初めて貰ったチョコだったから」
 ちょっと文学少女っぽいところがある、優里らしい返事だった。
 それ以来、お互い唯一無二の関係になってからも、二人の間で行き交うチョコはシンプルなモノで、添えられる言葉もシンプルなモノのままだった。
 でも、私達には、それがお似合いだと思っている。ずっと。

2/15/2026, 8:32:01 AM

一生懸命作ったの!!!
貴方のために、まずはカカオから……
え、重い?
ごめん、愛の量♡
まだトラック3台分あるからさ、受け取って!

『バレンタイン』

2/15/2026, 8:31:46 AM

血塗れの
斬首の先の
空騒ぎ
込められたるは
幸か不幸か



【バレンタイン】

2/15/2026, 8:24:14 AM

バレンタイン

明け方に見たUFOを、瞬きの間に見失ってしまった。
夕焼けにも似た朝焼けが、蹲ってる流れ星の上に見えた。まだ少し暗い。風が、まだ寒い。
家のベランダ。ゆっくりと片付けをする。ジッパーを開ける音が嫌にうるさく感じる。ジョギング中の初老の夫婦が、家の前を横切って行ったのが聴こえる。
銀色のパラボラアンテナなんて我ながら胡散臭いと思いながら、家族にバレないようにこっそりと鞄の下に押し込んだ。
2月14日。今日の朝が最後のチャンスだったのに。何ヶ月も粘ってたのに、結局いい写真が撮れなかった。
オカルトなんか、興味なかったのに。

2/15/2026, 8:17:10 AM

男子校。それは、俺達を囲むあまりにも高い檻だった。周囲の共学の野郎共は、やれ本命を貰っただの、下駄箱にチョコがあっただの、放課後女子に呼び出されただの、どれもこれも羨ましくて仕方ない話ばかりしている。
俺達のところで本命なんて貰おうものなら恐怖が勝るし、下駄箱のチョコはイタズラだろうし、女子なんて生き物はそもそもここにいないので呼び出されるわけがない。つまるところ詰みだ。どうしようもない。今年もまた、チョコ0個記録を更新するしかないのだ。
「…………彼女欲しい〜……」
心の底からの呻きである。普段はうるさいこの学校も、今日ばかりは似たような、敗者たちの悲しい呻きがこだまする。
帰り道、つい出来事でチョコを買ってみた。案の定周りには、着飾ってこれから愛しの恋人に会いに行くのであろう女子しかいなかった。そんな空間に、ゴツい運動部帰りの学ランで突撃した俺を誰か慰めてほしい。調子に乗ってラッピングまでしてもらったが、ひらめくピンク色のリボンを眺めても悲しくなるだけだった。心なしか、包んでくれた可愛らしい女性の店員も憐れむような目をしていた気がしてきた。
「クソがよぉ……俺の何が悪いんだよぉ……」
メソメソと嘆きながら、to自分、from自分のチョコを貪る。部活帰りの胃袋では、大した満足感も無かった。それどころか、虚しさが増した気さえする。
そんな俺に、大逆転チャンスが到来した。帰り道、ふと肩を叩かれて呼び止められたのだ。聞こえてきたのは、少しおどおどした女子の声。
信じられないくらいの勢いで振り向くと、そこには、綺麗にラッピングされた、少し不格好な手作りだろうチョコがあった。女子の顔を見ると、たまに通学路で見かける、近くの共学の子だった。この辺りの学校にしては珍しく真面目そうな子だったので、よく覚えている。
「あ、あの……これ……」
そっと差し出されたチョコを、内心泣きながら狂喜乱舞して受け取る。手の震えやら汗やらが気になって、女子の顔は見られなかった。
「そこの人たちが渡してきてくださいって……そ、それじゃ……」
羞恥か、あるいは別の理由か、頬を赤くした女子は、さっさと走り去ってしまった。どうやら、このチョコは誰かに託されたものらしい。
彼女の指差した方向を見た。その瞬間、俺の思考はフリーズした。
信じられないくらい意地の悪い笑顔を浮かべた、部活でつるむイツメン3人組(男)が、腹立つピースをしてこっちを見つめていた。手にはスマホ。響く録画停止の音。
次の日、俺が学校で暴力沙汰を起こしたのは言うまでもない。

テーマ:バレンタイン

2/15/2026, 7:59:41 AM

『バレンタイン』

いつもありがとうございます。
バレンタインですね。
床に伏せている家族にガン◯ムのプラモパッケージのクッキー缶を差し出してきました。
食欲なさそうでしたが、バリボリ食べてくれてひと安心です。

チョコレート買ってあげたかったのですが、チョコレートめちゃくちゃ高くなっていて手が出せませんでした😇

2/15/2026, 7:53:20 AM

チョコレートに詰めた気持ちを

言葉にして返してくれるような男じゃないって、

もう知ってる。

 《バレンタイン》

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