バスクララ

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12/13/2025, 3:06:25 PM

彼女の処刑の時間は午後三時。
丁度教会の鐘が鳴る時間だ。
傍若無人な王女はその時を持っていなくなる。
今頃広場では大罪人の登場を民衆たちが今か今かと待っている頃だろう。
やりたい放題でわがまま三昧の王女と聞いていたが、こうして処刑されるのを大勢が望んでいると知ってしまうとどうにもやるせない思いがする。
まあそれは俺があの国にそれほど思い入れもないからだろうけど。
しかし齢十四の王女様を支えていたはずの家臣たちはみんな彼女を置いて逃げ出したと噂が流れているが、真に悪なのはそいつらなんじゃないのか?
ま、王女も王女で振られた腹いせに緑の国の女達を全員殺せなんて命令出しちまったからなあ……
それを諫めるのが役割である家臣たちも自分可愛さにその命令を通しちまったんだろうな。
そしてその結果がこれというわけだ……なんだかなあ。
……ああ、三時だ。
やけに遠い鐘の音が聴こえてくる。
そして民衆たちの大歓声も聴こえてくる。
……あの国はどうなっていくんだろうな。
散った命が報われるような国になりゃあいいが。
ま、後はなるようになっていくだろう。
悪ノ娘はもういないのだから。


§


元ネタは悪ノPの『悪ノ娘』です。
対である『悪ノ召使』とセットで聴いて一つの物語になる曲です。
よかったら二つとも聴いてみてください。

12/13/2025, 1:06:23 AM

雪にはどこか神秘的で残酷なものを感じてしまうのは私が雪に憧れているからだろうか。
それともこれまで見たアニメやゲームの描写からそう思ってしまうだけだろうか。
スノー、または雪を冠する作品はたくさんある。
それらが雪は儚げで美しいという先入観のようなものを刷り込ませているのだろうか?
ならば豪雪地帯の人々は果たして雪をそう思っているのか?
知り合いはいないが、ほんのちょっとだけ気になる。
まあきっと人それぞれの回答が返ってくるのだろうけど。

12/11/2025, 3:45:49 PM

ある日僕は空を飛ぶことが出来た。
とびっきり綺麗な景色も見えるんだ!
夜空を越えて朝日を見に行こうかな。それすら越えて夕焼けも見に行こうかな?
僕はもう大丈夫。絶望や悲しみ、不安なんて感じない。
でもいつか君と一緒に綺麗な景色を見たいんだ。それが今の僕の夢。
ねえ、だからさ……前みたいに笑ってよ。
君の笑顔が好きだったんだよ。
泣いてばかりだとつまんないよ……
でも……わかってる。僕のせいで君は泣いているんだって。
悲しませてごめんね。
お詫びに君の命が尽きるまでずっとそばにいるね。
君の目には見えなくても。

12/10/2025, 1:29:23 PM

とても寒い日の夜、どこかの家で薪ストーブをしている香りを嗅ぐとお蕎麦が食べたくなる。
なぜかと言うと小さい頃は毎年大みそかの日に少し遠くのお寺に行って、たき火の近くで年越しそばを食べていたから。
幼稚園に通っている時ぐらいからコロナ禍まで当たり前のように食べていた。
具はネギと天かすだけだったけど、それがたまらなく美味しかった。
私の中で寒い夜+薪の燃えるにおい=お蕎麦という式が成り立っているぐらい私に染み付いているのだ。
財政難からかもうやらなくなってしまったけど、やはりあのお蕎麦が恋しい時がある。
家族みんなで、時には近所の人とも談笑して食べたお蕎麦。
とてもあたたかい、ぬくもりの記憶。

12/9/2025, 2:44:36 PM

カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が部屋に響く。
部屋は暖房をつけているし、さらに着る毛布でぽかぽかだ。
……指先以外は!
末端冷え性なのも相まって手の指先がマジで冷たいのがわかる!
でも手を温めたら作業ができない!
そして足の指先も冷たい! ブランケットで包んでいるのに!
ホットカーペットを使えばいいんだろうけど、この間低温やけどしちゃったからなんとなく怖くて使えない!
うぅ……凍える指先のせいで集中力がガリガリ削られてる気がする……
でも今日中に完成させないと……!
提出期限明日なんだよぉ〜!

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