「星に包まれて」
冷たい風の中、空を見上げる。夜空には満天の星の海が広がっていた。
それぞれが自分の光を放つなか、視界の左端に他のどの星よりも強く輝く一等星がその存在をアピールしていた。そんな一等星の輝きが、あなたの眩しい笑顔を思い出させる。あなたはいつも強い輝きを放っていて、どこにいても気になってしまうような、惹かれる存在だった。あの一等星のように。
けれど、あなたから見た私はきっと数多いる星の一つでしかなく、一等星ではないのだろう。
それでも、私は諦めたくはない。
いつか絶対にあなたにとって一番輝く存在になってみせる、と輝く星たちに包まれながら誓いを新たにした。
「静かな終わり」
暗い夜の帳が下りた草原にそっと横たわる。少し冷たい風に包まれながら、星たちに見守られてゆっくり意識を闇へと沈めていく。そんな風に、終わらせたい。
あなたには気づかれないように、1人でひっそりと。あなたの幸せを願いながら静かに終わりを迎えたい。
「心の旅路」
「本当の君が分からない」
そう言ってあなたは私から離れて行った。本当の私ってなんなのだろうか。その日から、本当の私を探す心の旅が始まった。けれど今も、本当の私がなんなのかは、分からない。
あなたに別れを告げられて涙を流したのは本当の私の気持ちなのか、それとも演じていただけなのか。
いつか旅の中で本当の私を見つけられるのかな。
「凍てつく鏡」
冷たい空気に包まれる湖は、曇天を映し出す鏡となっていた。
夏に君と2人で訪れた時には、太陽の光でキラキラと輝いていた。しかし今は、まるで違う湖のように暗い色をしていた。
そっと水面を覗き込むと、こちらを見る僕の姿がぼんやりと映し出される。靄のようにぼやける僕の顔は、今、一体どんな表情を浮かべているのだろうか。
「雪明かりの夜」
雪の降る寒い夜道。少し前を歩くあなたは私を振り返って、唐突に別れを告げた。どれだけ理由を聞いてもはぐらかされ、あなたは先へと歩いて消えてしまった。
月の光を受けた雪たちがぼんやりと光る雪明かりの道。動けずに立ちすくむ私を、笑うように冷たい風が横を駆け抜けていく。いつもならはしゃぐようなきれいな光景だけど、今はただ暗闇に飲み込まれていたかった。しかし、見上げた夜空には雲ひとつなく月が光り、視界が滲んでいくだけだった。