NoName

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2/15/2026, 11:17:38 AM

#10年後の私から届いた手紙

―――

古びれた便箋だ。
少しよれた、名前が書いてある。

書いた覚えはないが、自分の字で
多分、覚えてないだけなのだろう


...私はそれを、真っ二つに破った
中身も見ずに、ビリッと言う音だけが部屋に響く

知りたくなかった
見たくなかった

あの頃の、青い春を生きていた私の言うことなんて

――くすんだ紙くずが、バラバラと床に散らばる

今の、灰色に沈んだ私には眩しいから

――たった数動作なのに、妙に息が切れている

嗚呼、なんだか疲れた

私は身体の重みに任せ、背後のソファーに倒れ込んだ

未来なんてろくでもないでしょ

...誰かが、そう呟いたような気がした

2/14/2026, 10:53:23 AM

#バレンタイン

―――

変わらない大きさ、色、柄、中身。
...その中の、一つにだけ
小さなシールを貼り付ける

きっと分からないし、気が付かなくて良いよ

ただ少し、君に渡す手に、力が籠ってしまうだけだから

受け取って貰えるだけで嬉しいの

だから、どうか気が付かないでいて


私が君を、諦められるその時まで

2/13/2026, 12:17:00 PM

#待ってて

―――

桜に攫われるぞ、と
冗談を叩きあったのは、何時だったか

春一番にまたここで、と
そう約束をしたのは、何時だったか

この木を眺めるようになって
幾つ年が経っただろう

記憶の中の君は
一体何処へ行ってしまったのだろう

「帰るから待ってろ」
そう約束したのに

「嗚呼、待ってるよ」
そう言ったのに

何、すっぽかしてくれてんだ
写真の中の笑顔な君に、何度問いかけただろう

約束は守れと、口酸っぱく言っていたのは君だろう
君が破ってどうするのだ、と

...俺はまた、桜に問い掛けた

なぁ、桜さんよ

彼をどこにやってしまったの
お願いだから、返しておくれ

2/12/2026, 12:18:00 PM

#伝えたい

―――

気が付かないフリをしていた、のだと

気が付いたら傍に居て
大っぴらに愛を告げられ
目線を合わせれば、一本線の口が少しだけ動く

もはや言い逃れのできない想いをぶつけられ
いつの間にやら外壁を埋められ

...それを拒否できない、自分もいて

だから今はただ、絆されていようと思う

今は言えなくても
今は受け取るだけで精一杯でも

彼奴が、飽きてしまわない限り

この想いを抱いていよう

そうして、いつしか伝えられるように

2/11/2026, 10:47:51 AM

#この場所で

―――

我儘だと思う
また背負わせてしまうと思う

目の前に、作り笑顔がある
水滴が、ポタリと頬を濡らした

...嗚呼、俺は最低だ

そんな、取り繕わさせているのは自分なのに
きっと、此奴は引きずってしまうのに

最後が此奴の腕の中で
最後に見るのが此奴の顔で

「―――ありがとな、」

”幸せだ“と思ってしまった

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