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12/19/2025, 12:13:41 PM

寒さに強いという自負があるオレでも、さすがにその日は寒かった。


もちろん手袋とかカイロとか、そんなものは持ってなくて。
悴む指先を、吐き出す息の熱で温めていた。

ひたすらそうしていたら、不意に目の前に手袋をはめた手のひらが差し出された。
「え」と声を発して隣を見ると、何でもないような顔をした相棒が、
「寒いんだろ?」
と一言。
まごついていると、「こっちのほうがいいか?」と、手袋を外して、また差し出してきた。



なんで、という言葉が出かかる。
普段はこんなことしないのに。
さっきだって、そんな素振りなかったのに。




ずるい。ずるすぎる。
でも、そんなとこが、大好き。


泣きそうな心を押し込めて、何でもないような態度を作って、…でも隠しきれない嬉しさを伝えるように、手を握った。


【手のひらの贈り物】

12/13/2025, 2:41:54 PM

式場の幸せな鐘の音を聞くと、相棒の姿が頭に浮かぶ。
世界一大好きなアイツが真っ白いタキシードを着て、同じ服装のオレの手を引く、そんな光景。



慣れない格好をした自分達を見て何を言うんだろうとか、手を差し出しながらアイツは、どんな風に笑うんだろうとか。




別にアイツとそういう風になりたい訳じゃない。一緒に生きていられれば十分だ。
それになろうもしてもなれない。アイツの矢印は他に向いてるから。
分かってるのに、ふと思い描いてしまう。
王道の契り方をして「家族」になるなんていう未来を。



そうやって虚しい妄想を一通り脳内で流して、勝手に惨めな気持ちになって。



とっくに鳴り終わったはずの鐘の音が耳の中で反響する。
それを上書きするために、イヤホンを耳に突っ込んだ。



【遠い鐘の音】

12/9/2025, 10:57:30 AM

手を繋ぎたいがために、わざと冷え性の両手を外気にさらす。




【凍える指先】

12/1/2025, 9:41:59 AM

少し、特別な関係になった。
今日から始まる、オレたちの新しい生き方。




とりあえず、手、繋ごか。


【君と紡ぐ物語】

11/30/2025, 1:11:35 AM

もう一度だけ、アイツにオレの名前を呼んで欲しかった。



【失われた響き】

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