『心の片隅で』
心の片隅 大きな石
遠いか近いか わからない
重い感じは するけれど
重いか軽いか わからない
形や色は わかりそう
灰色で ゴツゴツで
触れられないから 見た目だけ
自分の中にあるのはわかる
だけどなんにも感じない
今すぐにでも 手放したい
これはホントに 私の一部?
そんな気… 全然しないけど
私の中にある以上
なんになるか なんなのか
なんにもよくは わかんないけど
わたしは連れて 今日も行く
これも多分 わたしだから―――
〜シロツメ ナナシ〜
『雪の静寂』
シンシンと―――という言葉
まるで雪の為だけにあるかのよう
どんなに強風の中でも
音もなく降り、そして積もる
雨と違って溺れる心配は無いものの
環境が凍りつくので、
それはそれで本当に厄介者である
降れば降るほど大変である
私はどちらかといえば
雪との縁は少ない方だが
少ないからこそいざ大雪になった時
対策をなかなかしていないことが多い
今年も至る所で猛威を振るい始めてるが
私の身近では、一体どうなる事やら……
雪そのものや雪景色は好きなのだが
ちょっと心配でもある―――
〜シロツメ ナナシ〜
『君が見た夢』
…………暗かった―――
ここがどこか分からない……
道だと言うのはわかった
とても曲がりくねっていた
真っ直ぐ進んでるつもりなのに
真っ直ぐ歩けない……
私はと言うと……
なにかの荷物を持っていた
リュックサックを前にも後ろにも
中身が何かわからない
それを見ようとしたら
前のめりに転けてしまった―――
中身が飛び出す
黒い塊のようなものが
次から次に飛び出す
私はとにかく、立ち上がるので精一杯
中身が散らばったのに
何故かさっきより重かった……
体が重いのか、
なにか不思議な力で残りが重くなったのか
その時の私には分からなかった
拾いたい気持ちがあったが、
その想いをぐっと飲み込んで
そのまま私は前に進むことを選んで
重い重い足取りで、ゆっくりと進んだ
―――――――――ん?
今 気付いた
人がいる―――女の子が1人
黄色いシャツに白い服を羽織って
長いパンツを履いていた
とても綺麗な茶色いポニーテール
とても笑顔で、私の周りを走り回っていた
全く見覚えのない子だ
なのに……
他人としか思えないのに―――
私の周りを元気にずっと走り回り
どっちに向かおうと、笑ってくれた
どんな進み方しても、笑ってくれた
笑い声は小さいけど、
なんだか小さな元気が湧く
抱えてる荷物は相変わらず重いのに
足は頼りないけれど
一歩を踏み出すチカラは
不思議と湧いてくる
目の前にひとつ、
弱く光る扉が見つかった
一歩、一歩と進んでいく
女の子は相変わらず笑いながら
私の周りを着いてくるように走り回っている
扉は自然と開いた、
大きな荷物を抱えたままの私と
女の子も一緒に、その先へ―――
〜シロツメ ナナシ〜
『明日への光』
私は光
彼の足元をやっと照らせるほどの
小さな小さな光
頑張ってもほんの少し先を
照らし出せる程度の光
みんなはもっとすごい光
誰も彼もが先の先まで照らしてて
迷わないように照らしていた
私は申し訳なかった…
ほんのすぐそばしか照らせない
自分のチカラが情けなかった
だけど彼は、
不安な顔がたまにはあるけど、
私を1度も手放さない
勇気をだして聞いてみた
―
どうして私を手放さないの?
もっとすごい子は沢山いるのに…
―
――
僕はね?
とっても怖がりだ
世界を見えるのが怖いんだ
周りが見えすぎると
かえって僕は動けなくなるの
だから、
君の光がちょうどいい
みんなは君を弱い光と言うけれど
僕には、今を進むことができる
今と、ほんのちょっとの明日が見えれば
とってもちょうどいい光なんだ
――
そう言って彼は
ゆっくり歩きだそうとする
私はすぐにその足元の道を照らす
――ありがとう――
それは―――私のセリフ
今日も私は、彼の今(未来)を
私なりに照らし続けている―――
〜シロツメ ナナシ〜
『星になる』
不思議だよね
空に向かって飛べば
宇宙に行くのに
命を終えると
そらは 「天国への入口」に変わる
そしてあっという間に
この宇宙(そら)の、星のひとつになる
〜シロツメ ナナシ〜