『0からの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は15年前にこの世界に生まれ落ち、物心が着いた時から『勇者』になる夢を掲げ、剣を振ってきました。
きっかけは酷く単純な物で、この村を襲っていたモンスターの大群を一人で倒した『勇者様』が、まだ幼かった私に手を振ってくれた事です。
そんな些細な思い出を胸に抱いて、私はトレーニングを欠かさず、弱いモンスターを倒して経験値を稼いでいたのです。それ故、長くやり続けたからか、時折村の人から褒められる事も増えてきました。
けれど、それは突然起きました。
私達とは違う、変な服を着た青年が、突然召喚されたのです。村の司祭いわく女神の力らしいのですが……。
彼は初めて剣を握ったにも関わらず、私が10年以上かけて覚えた剣術の倍以上の強さで、モンスターを屠りました。
彼は魔法を知らないと言っていたのにも関わらず、死んだ人間を蘇生させる魔法をいとも簡単に扱いました。
村の人たちは喜びました。彼が召喚されて1日立たずに、彼は『勇者様』と呼ばれるようになりました。
それ以来、前の『勇者様』の姿を見ていません。
私は、『勇者』になることが出来ませんでした。
0から必死になって覚えてきたスキルをもってしても、やっとこさ記憶の中の『勇者様』に追いつけるようになったとしても。
突如現れた天才には叶わなかったのです。
ねぇ、女神様。私の15年間はなんだったのですか?
女神様。ねぇ、女神様。お答えください。お答えください……。
(お題 0からの)
ガヤガヤと騒がしい野次馬の声も、近付いてくる救急車とパトカーのサイレンも、全てが遠のいているようで、僕の耳には上手く入ってこない。耳鳴りが酷くて、何故か目の前が霞んで見える。不思議に思って、どうしてこんなことになっているのか君に聞こうとしたのに、声が出なかった。ぷつん、と意識が途切れて、次に目が覚めた時にはもう、無機質で真っ白な天井だけがそこにあった。
がら、と間の抜けた音がして、看護師の人が病室に入ってきた。
「あ、目が覚めたんですか!せ、先生を呼んできます!」
パタパタと駆けていく足音が遠ざかっていくのを、僕はどこか他人事のように聞いていた。どうやら僕は、大学内に侵入した通り魔に刺された、らしい。
その後、何かたくさん質問をされて、診査をして、またたくさんの検査をして、僕は病室に戻ってきた。何かと騒がしい1日だったが、幸い僕の怪我は大したこともなかったようだ。これなら入院もそこまで長引かないと、診査してくれた先生が言っていた。
「あの……ところで、アイツは?僕と一緒にいたはずなんですけど……」
そういえば、と思い出して、ふと目の前の医師に聞いた。医師は気まずそうな顔をして口を開いたが、その声はノイズがかかったように荒れていて、上手く内容を聞き取れない。何度か聞き返したが、結局聞こえなかったのでもう諦めた。
その日の夕方。ドアの開く音がして目を向けると、彼が立っていた。医師の声は聞こえなかったが、どうやら怪我もせず、無事だったらしい。
「……大丈夫だったか?まぁ、起きていられるのなら大丈夫だとは思うが……」
彼らしい、堅苦しいような口調が、無性に僕を安心させる。その日は夜まで話し込んで、とっぷり日も暮れたところで彼は帰った。
次の日も、その次の日も、彼は僕を見舞いに来た。よほど心配してくれていたのか、朝から晩までずっと付きっきりなのだ。学校は大丈夫なのかと聞きもしたが、あの通り魔事件から、一時休校中らしい。
けれど、不思議なこともあった。僕を見る周りの目が、少し変わった気がする。特に、彼といる時は。彼の名前がいつも呼び間違えられていて、その度彼は相手の耳元で、訂正しているのか何かを囁く。そういった違和感の後、彼は決まって、困ったようにはにかむ。そして、いつも言うのだ。
「まぁ……仕方ないことだ。周りも分かってくれるだろう。」
よく分からないが、彼と過ごす日々が続くことに僕は酷く安堵している。あの日、彼が死んでしまうのでは、なんてあり得ない考えをしてしまったから。
「そうかなぁ……まぁいいや。……これからも、ずっと一緒にいてね。」
「……ああ、勿論だ。……やっと、ここに立てたからな。代替品としてだって構わない。俺も、お前と居たいんだ。」
彼の笑顔に、また少しの違和感が積もった。けれど、もう気にしないで、僕は病室に戻ることにしよう。彼がいるのなら、僕は何だっていい。
たとえ、彼が虚構に過ぎなくたって、偽物だったって、なんでも。
テーマ:0からの
えー
このたび当出版社から...
なんと!
マニアックな言動・行動から界隈では"奇人妙人宇宙人"と呼ばれている御大・hinatane先生が執筆されたエッセイ《0からのソラ》が出版される運びとなった!
これは業界内として非常に名誉な事である!
...ということで!
出版記念としてhinatane先生をお招きして握手サイン会と併せてグッズ販売をすることとなった!
先生は作家でありながら画家・デザイナー・即興ピアニスト・ラジオDJ・そしてボランティアとして執筆の合間を縫い居住地のヤクショと連携して市民の生活悩み相談員・ゴミ拾い活動等々多方面に渡ってクリエイティブ且つアクティブに御活躍されている!
ただ!
hinatane先生が特に大切している"ファンの声"
とある某出版社で開いたイベントでのことなのだが...
"hinatane先生の直筆サイン貰えて嬉しかったけど別ブースで先生のグッズ買ったらスタッフの人が《ボンボンボン!!!》って入れながらレジ打ちしていたのが凄く悲しかった😭作品達が可哀想😤先生サインや握手対応で氣づいていなかったみたいだから後で公式SNSのDM宛送った💪"
"事前に限定グッズ取り置きしてもらっていて夕方受け取りに行ったらBBAが《○○さん来ましたー》って言って品物保管している場所に引っ込んで持ってきてくれたけど普通《○○様いらっしゃいました》だよね?接客業しているワタシからしたら先ず有り得ないんだけど?どうなってんの笑"
"会計する時にスタッフのオネーサンが《持って帰る袋はありますか》って言ってきたんだけど何だか違和感感じた...《お持ち帰りの袋はございますか》とか《マイバッグお持ちでしょうか》とか《袋は如何されますか》とか...いつも行く店ではそう言ってくれるんだけど...これイベントに来た人達もこんな対応だったのかな"
その声の数々を聴いたhinatane先生は問答無用で某出版社との取引解除!作品も自主回収!DMを送ってくれたファンの方々の元へ直接謝罪へ赴いたという業界では知らない人はいない伝説のエピソード!
先生は普段は温和で知的でユーモア溢れる人柄だが...
"ゼロかヒャク"
"クロかシロ"
...という内面をお持ちである
当スタッフの皆は重々その事を理解しているし...
わたしも肝に銘じファンの方々や先生に対して失礼の無いようイベント成功に向けしっかり情報の共有・準備をしていこう!
先生は当出版社に対し"信頼しています"と述べてくれている
その声を裏切らないよう出版社一丸となってベストを尽くし前へ進もう!
では本日のミーティングはこれにて解散!
お疲れ様...遅くまでありがとう!
『エンジンはマイナスで』
0から何かやろうとしても、必ず2日で飽きるのが、ここ最近の私である。もともと飽き性ということもあって、いろいろ手を付けても、奇跡的に生き残ったのは3つだけ。去年、テレビで取り上げられることが多かった『推し活』でもう8年になる動画視聴、『推し活』が転じてやりだした6年目の縫い物、幼少期からなくてはならない存在になって、13年目の洋琴。どれも「暇つぶし」のつもりでローテンションから始めたのに、知らない間に年単位の趣味になっていた。「今からやるぞ!」のテンションで始めたものは全て3日どころか、2日坊主で投げ出した。
「意欲が高いと、目標達成しやすい」だとか、「やる気があればあるほどできる」と教わった義務教育だが、どうやら私はその逆で、意欲が低いローテンションじゃないと、物事を続けることすら難しいらしい。
0が1以上になるには、不安定な精神が欠かせないと知ってしまった。不安定な精神の0の状態を1にして、飼い慣らす方法を、ローテンションな今のうちに、誰か教えて。
新しい部署に異動になった。今まで経験したことのない職種だ。職場も別の場所になる。同じ会社でも、部署が変われば雰囲気もやり方も違う。
何とも言えない不安が、ずっと心の中を覆っている。新しい職場は、今までと同じ駅の反対方向だ。駅前の細道を抜けると、大きな通りに出る。長い並木道が続く。木々に囲まれて歩いていると、少しだけ気分が落ち着いてくる。
職場が見えてきた。また少しドキドキする。いつもこの瞬間が一番苦手だ。これからまた、0からスタートすると思おう。大きく深呼吸して、ビルのドアの前に立った。
「0からの」
『0からの』
いつもありがとうございます。
病み上がりからの全力疾走は肺と腰に堪えます。
スペースのみです💦
☆お題『0からの』を使って架空の本のタイトルを考えてみた☆
『スキル0からの崖っぷち転職
〜それでも自分を諦めない方法〜』
『気力0からの幸せ晩ごはん
〜面倒くさい準備も後片付けもぜーんぶゼロ!〜』
『体力0からの毎日筋トレ
〜一日たった5分で人生が変わる!〜』
『国語力0からのライター生活
〜誰もが書けるようになる30のメソッド〜』
「ビジネス本のコーナーにありそうな、それっぽい感じを狙いました!」
「いや、だからなんなの? ってなると思う」
「ほかにネタが思いつかなかったので、しょうがないです! でも、いっしょうけんめい考えました!」
「せっかくの三連休になにやってんだ、ったく」
0からの
今まで君のことを何一つ知らなかったと気づいた。
あなたと出逢ってから今日までの三年間、一度も君の本心に気付けなかった。
俺はいつも自己保身へ逃げて君の方へ駆け寄ることをしていなかった。
ただひたすら、"君が好き"という気持ちだけで今日まで死なずに生きてこれたよ。
前に君が俺に投げ棄てるように言った「私のことを何にも知らないくせに」って言葉が今も胸に埋まらない穴を空けているよ。あの日の君のすすり泣く声をもう俺は聞きたくない。
目の前で純白のベールに包まれ立つ君と俺はずっと生きていけるかな。
1日を過ごすごとにあなたへの愛が離れていくかもしれないことが俺には怖く感じる。
情けない事を考える俺を許してくれ。
本心を語れない俺を愛してくれ。
愛していると堅苦しくて、恥ずかしくて言えない俺は、今日こそは君に"愛してる"と伝える。
君と俺の今日から始まる0からの日々を祝して
ゼロとイチは全然違う
誰かのつくったイチに乗ることはできても
自分でイチをつくるなんてできない
そう思い込んできたけど
本当にそうなのかな
そもそもイチをつくるってなんだろう
ゼロってどんな状態なんだろう
手で触れることもできないような
そんなあやふやなイメージだけで
勝手に自分を縛り付けてるなんて
それこそゼロからイチをつくってる
妄想という名の創造じゃないか
#0からの
「ところで」
「ところで?」
「最近は0と1ではなくて0と100みたいな表現が多いね」
「テストが百点満点みたいなイメージ?」
「0と比べればみんな同じだけどね」
「それはそう。と言いたいところだけど人による気がする」
「そうだねー。計算不可能性や結果が不定の区別がつくか?が概念として必要かもね」
「それは多分難しい」
「数学の難しさは概念をどれだけ得られるかによるからね」
「難しいよねー」
「ところで人間関係の話の気がする」
「そういえば」
お題『0からの』
0からの
0からのスタート、できたらいいのにな
記憶はなかなか消せないね
どうしようもないまま時は過ぎて
1からのスタートなんだろうなと思うのだけれど
その1が、私には荷が重いな、
それに0からのスタート、もし出来たら
思い出も消えちゃうんだよね
それもさ、スタートなんてあるんだろうか
1ってどれくらいのことをいうのだろうか
0ってあるのかな、
生きてる限り
0なんてきっと無くて
自分が感じた意味に、気づいて
それらを背負って、抱きしめて
1なんて瞬間がわからないほどに
たくさん増えてゆくんだろう
0からの自分を自分は知らない
スタートがあったとして、
その瞬間を自分は知らない。きっとね
0から、それはもう
私ではなくなってしまうのだろう
私は記憶で、思い出でできているんだろう。
記憶は消えない、思い出は消えない
0からのスタートはできっこないんだよね
私が生きてる限り、
働いている会社が改装という名目で、業態を変える話が出ている。
いま自分が働いている部署から離れて0から新しい部署で働きたいと思いつつある。
しかし、一番大切なのは築き上げた人間関係を壊したくない。
そんな思いが頭を駆け巡って気疲れしてる。
0から新しいことを始めるのは、
ワクワクするし、ザワザワもする。
正解はきっと未来にあるだろう。
正解はきっと未来の私が知っている。
この転機をものにするには
ある程度、自分の知恵も必要なんだろうと思うと
もっと経験を積めば良かったと悔いもある。
もう一度あの頃に戻りたい
何も持っていなくて
ただワクワクしていた「0」の頃
夢だけ追いかけて
初めて手にした時の感激
ゼロから積み上げてきた
ただそれだけなのに
今はその積み上げたものが重く感じる
評価を気にせず生きていけたら
どんなに楽だろう
「ねえ、私たちはこれからどうなるのかな」
夕暮れの下、私たちは机と向き合っていた。
先ほど言葉を吐いた私の友人はそう息を漏らした。
「いやこれからって言ってもさ、まずはこれを終わらせないとだよ」
私が指を指した先には課題の山が積み重なっていた。
真っ白なプリントをつまんで顔をしかめて彼女は目をそらす。
「そんな顔しないの 最終日までやって来なかったあんたが悪いんだからさ」
「はいはい やりますー やりますからー」
それでもなお不服げに頬を膨らませる彼女のデコに向かって一撃を食らわせてやろうか。そう思ったがそんなことをしても彼女の頬がさらに膨らみ、課題に向き合う時間も増えるだけなのは分かりきっていたのでやめておく。
こたつの温かさだけが私の苦しみを分かってくれているようだった。
「まあ、話戻すんだけどさ」
私の口はピクリと動きそうになったが一応は課題に向き合ってるようなので口を閉じることにした。
「ほら、私らってそのうちいつか大人になるわけじゃん」
「このままでいいのかなと」
そう目を落として語る彼女は少し意外だった。
「意外と将来のこととか考えてんだね」
その言葉はつい出てきた本音だ。私はきっとどこか彼女を下に見ていたのだろう。
「あはは そんな訳じゃ無いんだけど ふとね」
そう話す彼女はいつもより少し大人びていた。
「別に変わらないんじゃない? 私たちはきっと私たちのままだよ」
そうだと確信もないのに言えた。きっと大人になってもこのバカは後回しにするだろうし、私はそれを手伝ってしまうだろう。
それでも彼女の側にいたいとそう思うのも大人になっても変わらない。
だけど、こんなことを言うのは彼女が調子に乗るのはそれと同じぐらい分かるので伝えないけれど。
彼女は少し目をぱちくりさせると私に飛びついてきた。
「あはは そうだよね 何を思ってたんだろうね」
目にはほんのりと涙をにじませてる。私には何故彼女が急にこんな問いかけをしてきたのか分からないし分かる必要もないだろう。
それより今必要なのはこのバカの課題を片付けることだ。
こたつの中で触れた彼女の足は、少しだけ冷えていた。
—リスタート—
俺はたった今、無職になった。
十年間勤めた会社が、倒産したのだ。
「ごめん」
その夜、俺は妻と娘に頭を下げた。
まだ三歳の娘がいるというのに、無職になるなんて情けない話だ。
「ぱぱ、むしょく……?」
「パパのお仕事がなくなっちゃったのよ」
「しごとがない……」
妻は平然と言う。
「でも大丈夫よ。仕事はどこかにきっとあるし、パパがこれまで頑張ってくれたおかげで貯金もあるから。——むしろ、少し休みがとれて良かったじゃない」
なんて笑いながら言った。
そんな妻の心の強さに、俺は支えられる。
「ありがとう」
もう一度、俺は頭を下げた。
見捨てられなくて良かったと、心から思う。
彼女の優しさに、思わず涙が溢れてきた。
「ぱぱ、しごとあるよ!」
ふいに娘が叫んだ。
「なあに。どんなお仕事があるの?」と妻が隣の娘に訊く。
「あしたから、パパはメイとあそぶの!」
二人でふっと笑ってしまった。
「確かにそうね。子育ても立派なお仕事だもんね」
「わかった。明日は遊びに行こう」
「じゃあお弁当作って、ピクニックでもしよっか」
「ぴくにっく、したい……!」
暗くなると思っていた部屋の雰囲気は、いつの間にか明るいものになっていた。
無職になってしまった初日。
俺のスタートは、悪くない滑り出しだった。
お題:0からの
初めてアプリを開いた。
何を書いたら良いか?と頭を抱えている。
言葉を紡ごうとするが、手が動かなかった。
外は暖かい日差しが差し込む。休日の昼頃は楽しそうに遊ぶ子供の声がしていた。
ふと、私は気がついた。
それは自分の気持ちを、考えを言葉にする事を恐れていたのだった。
いつからか、正解がなければ言葉を紡げなくなっていた。
何を書いたら良いのか?ではなく、何を書きたいのか?を忘れてしまっていた。
気がついたら文字を紡いでいた。
感情のまま、気持ちのままに、今言葉を紡いでいた。
今日からまた文字を書きたいと思う。
0から1にすることが、こんなにも切なくなる事があると少しだけ理解した気がした。
0からの
私達ってお母さんから生まれて0から頑張って成長していくじゃん?照らし合わせると何でも0からできて頑張っていくんだよね。私が神様だったら微笑ましい気持ちで微笑んでるよ。
毎日が0から始まる
昨日あった嫌なことはすべて0にして
今日も朝から頑張りましょう
『0からの』
何も無いところから始める
私は正直好き
だけど、人はどうしても
知識についてはあること前提で
ことを進めてしまう癖がたまにある
無知な人を面倒と思う人
知らないことが信じられない人
そう感じる人はやっぱりいる
先に生まれただけ
長く生きてるだけで
今日に至るまで
その道を通らずに生きてきた人の方が
本当は沢山いる
知らないことを知らない人に出会った時
私自身も初めての発見がある
―――あぁ、わたしもまだまだ
知らないことがあるんだ って
生きてる限り何度でも
0からのスタートを―――
〜シロツメ ナナシ〜
火葬
(雪のない暖かな)
えんとつからけむりがでてるっ!
-そうだね。すごいね。
…あ!!
しろいいぬ!しろいいぬ!
-ほんとだね。——
(妹が底につかない脚をぶんぶんふって)
—— ねーえ、おねえちゃん あのひとたちはなにしているの
-骨を拾っているんだよ。
なんでひろっているの
-死んじゃったんだよ、あのひと。
だめだよ死んじゃ おこって、いってあげて
-あなたにはまだわからないでしょ。
…いやなことがあったの?
-そう。
とってもいやなこと?
-うん…そう
どうしたの、おしえて?
-あー、えーと…
…わからないの、わからないの
泣かないで?
-昨日だってお話ししたのに、なんで、なんで…
まって、まって…
かなしいんだ、おねえちゃん。
でもわたしわどこにもいかないよ?
(私はわたしのかわいい妹を抱きしめた)
2月のうすい藍にある煙突からは、振り返らない煙があがっていました。