NoName

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2/20/2026, 1:13:45 AM

枯葉

ひとひらの枯葉が
風にゆだねて落ちていく

役目を終えたはずなのに
その色はどこかあたたかく
夕暮れの光をそっと抱いていた

踏まれても 砕けても
音を立てて語りかける
「終わりは 静かな始まりだ」と

枝を離れたその瞬間から
自由と孤独は同じ重さで
葉脈の奥にしみこんでいく

それでも枯葉は
最後の旅路を誇らしく舞う
自分の季節を生ききった証のように


眞白あげは

2/19/2026, 6:21:32 AM

今日にさよなら

夕暮れが そっと背中を押す
もう戻れない一日の端っこで
私は小さく息を吐く

言えなかったこと
笑いきれなかったこと
胸の奥でまだざわついているけれど

それでも
今日という名前の舟は
静かに岸を離れていく

手を振るみたいに
まぶたを閉じて
そっと呟く

――今日に、さよなら。

明日が来ることを
まだ信じきれなくても
夜のやわらかさだけは
確かにここにある


眞白あげは

2/17/2026, 11:44:08 PM

お気に入り

ひとつ そっと
胸の奥にしまってあるものがある

朝の光に似た
やわらかな気配で
名前を呼ばずとも寄り添ってくる

誰にも見せなくても
消えずに灯る小さな灯火
触れれば 昨日の続きのように
静かに微笑みを返してくれる

世界がざわめく日にも
そのひとつがあるだけで
呼吸がふっと軽くなる

お気に入りとは
選んだものではなく
いつのまにか
心が選んでいたもの



眞白あげは

2/16/2026, 2:26:50 PM

誰よりも

誰よりも
静かに歩いてきた道がある
誰にも見えないところで
そっと積み重ねてきた日々がある

声にしなかった想いも
涙にしなかった痛みも
すべてがあなたの輪郭を
やわらかく、強く、形づくっていく

誰よりも
あなたはあなたを知っている
迷いながらも
それでも前へ進んできたことを

だからもう
比べなくていい
追いかけなくていい
あなたの歩幅で進むその一歩が
誰よりも美しい



眞白あげは

2/15/2026, 11:01:57 AM

十年後の私から届いた手紙


十年後の私から
ふいに届いた封筒は
少しだけ陽に焼けて
けれど、どこかあたたかかった。

「大丈夫」
最初の一行は、それだけ。
けれどその一言が
今の私の胸の奥で
ゆっくりと灯りになる。

十年後の私は
相変わらず不器用で
でも、今より少しだけ
自分を信じることが上手になっていた。

涙をこらえた日も
言葉にできなかった痛みも
全部、無駄じゃなかったと
未来の私は静かに書いていた。

「あなたが選んだ道は
どれも間違いじゃなかったよ」
その筆跡は
今の私より少し大人びて
でも、ちゃんと私のままだった。


眞白あげは

封を閉じる前に
未来の私はこう結んでいた。

「どうか、今日のあなたが
自分を嫌いになりませんように。
十年後の私は
あなたに心から感謝しているから。」

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