語り部シルヴァ

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12/18/2025, 10:11:24 AM

『心の片隅で』

友人が死んだ。原因は自殺だったらしい。
普段からメソメソしてて、
僕がそばにいないとずっと泣いているようなやつだった。

最近笑うようになって、好きなことが楽しくなったり
「ご飯の味がより感じれるようになった。」
なんて嬉しそうに報告してくれた。それなのに...

目だけでクラスメイトを見渡す。
なにかバツが悪そうに下を向いている。
...多方そういうことだな。

友人がイジメられているのにはもしかしてとは思っていた。
ただ僕は自分から聞くことはしなかった。

だってもしそれが本当だったなら僕は
君になんて声をかければいいかわからなかっただろうから...
今更後悔したってもう遅いか。

ごめんね。僕がいないと今も寂しい思いをしているよね。
今、そっち行くから少し待っててね。

語り部シルヴァ

12/17/2025, 10:33:49 AM

『雪の静寂』

雪が降るとどうしてこうも静かになるのか。
いつ吹く北風も野犬の遠吠えも全然聞こえない。
部屋のストーブの上に置いてある
ヤカンの水が沸騰してる音だけが静寂を打ち消している。

それなのに沸騰してる音が聞こえているのに
「"静か"」と感じてしまう。
コタツの熱とストーブの熱。
静かで...暖かい。
みかんの皮を剥く速度がどんどんゆっくりになる。

もう既にウトウトして寝てしまいそうだ。
首の踏ん張りが...限界...

そのまま勢いよく額をテーブルにぶつける。
「...っ」おかげで目が覚めた。

額をぶつけた音ですら静かな空間に飲み込まれた気がする。

語り部シルヴァ

12/16/2025, 2:19:57 PM

『君が見た夢』

夜更かしをしすぎてそろそろ寝ようかと
布団に潜ろうとしたとき、君から着信が来た。
いつもの君ならひと声かけるのに珍しい...
そう思いながら電話に出る。

「もしもし?」
「もしもし、夜中にごめんね。」
「ううん、全然大丈夫だよ。少し深呼吸して...
落ち着いたら聞かせてよ。」

鼻声の君を落ち着かせながら
溢れる涙を抑える声を電話越しに聞く。
少し経って落ち着いた君が話し始める。

「目が覚めたら君が隣にいなくて、
そもそも君がこの世界にいない夢をみたの。」

寂しくて泣いてしまったか...申し訳ないけど
そんな君も可愛いと感じてしまったのは言えないな...
そんな雑念を振り払い君を慰める。

「そっか...寂しかったんだね。大丈夫だy」
「違うの。」
慰めようとすると君が僕の声に割り込む勢いで答える。
する時また涙を流し声を押し殺す声が聞こえた。

「違うの。
そんな世界に対して寂しいとか何も感じ無かったの。」
落ち着くまで待てなかった君は
感情に任せるように僕にそう言った。

語り部シルヴァ

12/15/2025, 10:14:39 AM

『明日への光』

あと一分。あと一分で日付が変わる。
だからと言って世界が変わる訳でもなく
ゲームのように暗転したと思えば外が明るくなる訳じゃない。
ただただ日付が変わるだけ。

それでも日付の境界線というものはどこか心に変化を感じる。
明日が仕事だと早く寝なきゃと焦るし
休日だとまだ起きていられる安心感がある。

さて...明日は仕事。
全く来てくれない眠気。
リモコンを無くして
わざわざ壁のスイッチを押さないと消せないルームライト。

そう思っている内に日付は
とっくに変わり10分ほど過ぎていた。

今日という日は
眩しく光るルームライトに当てられて始まった。
...早く寝ないと。

語り部シルヴァ

12/14/2025, 10:26:46 AM

『星になる』

目を覚ますと身体が軽い。
ずっと凝ってた肩も引きずるように歩いていた足も妙に軽い。
今ならどこでもひとっ飛びできそうだ。
試しに実家へ...!と思ったが
いつもの走る速度と変わらなさそうだ。

...そもそもここはどこだ?
真っ暗で何も見えない。
進むとドアから光が少し漏れていた。

抜けると...火葬場だった。
あぁ、そういう事か。
納得した途端に身体がふわふわと浮き始める。
死人は星になる。
よく言われるセリフだったけど
実際こんな感じになるんだな。

僕は弱い。だから星になっても輝きが弱いかもしれない。
けれど...綺麗な色に輝けると嬉しいな。

お昼時の昼寝をするようにまぶたが
ゆっくりと閉じてきた。

語り部シルヴァ

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