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12/26/2025, 1:31:54 PM

雪明りの夜


小さな足跡が続いている

楽しそうにくっついたり離れたりしながら

それはずっと続いている

足跡を辿って行くと

あるところで足跡はなくなっていた


ふと空を見上げたぼくは

綺麗な羽根を羽ばたかせる妖精を見つけた

楽しそうにくっついたり離れたりしながら

空高くへとのぼっていく

それはとても綺麗で

ぼくはしばらく眺めていた


ふわふわと白い雪が舞い降りてきた

ぼくを包みこむように優しく

雪明かりの夜

ぼくにとってそれは大切な思い出

12/24/2025, 3:55:59 AM

揺れるキャンドル

どこからか歌が聴こえる

もうそんな時期か…

年末の慌ただしい仕事が一段落したら

今年も後僅かになっていた


サンタやトナカイのコスプレの店員たちが

ケーキやチキンなどを売っている

今年は何にも準備しなかった

いろんなことに追われるように

日々を生きてくだけで精一杯で

そんなことを考える暇すらなかった

暇すら作らないようにしていた


きみを失ったショックは生きていくことさえ

考えてしまう位だった

きみがいないのにどうして生きていくのか?

そう日々自問自答を繰り返していた

きみと一緒にいたかった

強く願えば叶っただろうか?

きみがもうどこにもいなくなって

僕は思う

あの選択は間違っていたのだろうか?

きみの死を受け入れられずにいる

後悔してももうどうにもならない

そう思っても前に進めない

もう少しだけ

もう少しだけきみのことを考えていたい

忘れるわけじゃない

ずっときみのことを想っている


揺れるキャンドルの火のように

消えかけている僕の命

きみはそっと支えてくれるだろうか?

次にきみに会った時に

きみが知らないいろんなことを

いっぱい話したい

そのために僕は生きる

きみの分も生きる

まだ強くそう言えないけれど

きみがいた時間は大切だったから

僕は生きなければならない

そう思うんだ

12/23/2025, 3:57:25 AM

光の回廊

暗闇の中

必死に前に進んで行く

何も見えない

先に進んで行くことが正解なのかさえ

わからない

自分だけがこの暗闇の中に閉じ込められて

光を求めて進んで行く


何も見えない不安は

自分の足音さえ不安を増加させていく


「手を伸ばして!」

そう必死に自分の手を掴もうとしてくれた仲間たち

もう駄目だ…

自分の諦めの先にあったもの

それはこの暗闇

何も見えないことがこんなにも不安なのか

何も音がしないことがこんなにも不気味で

前へ進むしかできない

止まってしまったら死が待っている

そんな気がして

死ぬことがこんなにも怖いなんて


ふと声が聞こえた

懐かしい声

声に向かって進んでいく

小さな光が見える

必死に前へ前へ進んでいく

小さな光は光の回廊だった

何も考えず前へ前へ進んでいく





「目を覚まして…」

何本もの管が繋がれている

真っ白い部屋

泣き腫らした君が驚いて何かを叫んでる

ここは…?

「もうどこにも行かないで」

縋るように君が言う

痛い位に温かい手が握りしめてくる

戻ってこれた

頬を温かいものが流れていく

そうか

いろんなことを諦めて屋上から飛び降りた

もう生きていく必要さえ感じなくて

冷たい雫が落ちてくる

まだ生きたい

強くそう思う

泣いてくれた君のために

12/22/2025, 3:45:50 AM

降り積もる想い

音もなく降り積もる雪のように

貴方に伝わることがないこの想いは積もっていく


幸せだった季節は終わりを告げ

今は日々憂鬱な毎日が続いている

いつからだろう?

考えても答えは出ない

最初からずっとそうだった気さえする


誰かを変えることはできない

それは理解してるつもりだった


こんなにも気持ちが波打って

何も手につかないことなんて

今まであっただろうか?

ちょっとしたことで一喜一憂して疲れた…


もう少しだけ

もう少しだけ自分のことを考えてほしい

そう言う自分に

貴方はいつも精一杯考えていると言う

これが精一杯なら

もう一緒にいるのは無理なのかな…と思う

傷つくのも

我慢するのも

いつも自分…


貴方は好きな人たちと

楽しく毎日を過ごしているように見えてしまう

飲みに行っては日が変わるぎりぎりで帰ってきて

何ごともなかったように過ごしている

ずっと待っていた寂しい気持ちはまた

積もっていく


何を言っても

仕方がない

ホントにそうなんだろうか?

もっと…そう思うのもダメなことなのか?

自分が都合のいいものになってくのが

つらいと思うのは間違っているだろうか?


伝わらない言葉が降り積もっていく

この言葉たちはどこに行けばいいんだろう?


素直に気持ちを伝えても伝わらない

気持ちが一方的なのを感じるだけなら

この想いはしまっておきたい

もうこれ以上傷つかなくてもいいように…


もうひとりの自分が言う

ホントにそれでいいの?

諦めようとしても出来ないのに?

素直に伝えてみたら?


他人事のように…


伝わらない想いが降り積もって形を変えていく

降り積もった雪が氷になっていくように

12/15/2025, 3:53:08 AM

星になる

あの子はきっと星になったんだ。

そう思うことで少しは救われたかったのかもしれない。でも、現実は残酷な位、その決断が間違っていたんじゃないかと思わせる。

道を歩いている時すれ違う赤ちゃん、
危なげに歩く幼児。

あの子もきっと生きていたら、
と考えて落ち込んでいく。

仕方がなかった。

どうしてそう思えたのか?

そんなことを考えてしまう。

日々、後悔しかできないことに、
生きている資格すら疑わしくて、
自分の存在が疎ましく思ったりする。

それでも、代わりに生きると決めたのなら、
歯を食い縛って生きるしかない。

いつか会えた時に、
いろんな話ができるように。

前を向いて、また一歩先に進む。

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