ね。

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2/19/2026, 2:56:51 AM

午前0時になる瞬間が好きだ。

今日というものが、明日になる。
明日だったものが、今日になる。
毎晩ずっと、それを繰り返す。


わたしは、枕元の時計を見つめる。  

今日にさよなら
明日にはじめまして
の時は、
もうすぐだ。

2/18/2026, 7:36:40 AM

廃墟にあった、お菓子の缶をあけると、思いのほかキレイなビーズが入っていた。 
1番大きな青いビーズを手にとり、日の光にあてると、不思議なことに、まだキラキラと輝いた。



オバケが出るよ、
入ると呪われるよ、
と近所の子どもたちには嫌われているらしいこの廃墟は、実はボクが幼い頃住んでいた家だ。
母が病気で亡くなって、父はどこかにいってしまって、ボクと小さな妹は母方の親戚の家に引き取られた。本当に優しい人たちで、ボクら兄妹は何不自由なく、充分に育ててもらった。
しかし、不幸は続くもので、なぜかその親戚たちもたてつづけに亡くなってしまった。身体が弱い家系なのだろうか。そのへんはよく分からない。


ボクと妹は、二人で暮らすようになって、ひさびさにお互い仕事も休みだから、昔住んでいた場所に行ってみようか、という話になった。電車をいくつか乗り継いで、ボクたちは20年振りにこの場所にきた。
懐かしい、というより、知らない場所に訪れた、という感覚だった。




家の中はボロボロだったけど、押し入れの隅の箱に入っていたお菓子の缶は、案外キレイだった。それは、妹のお気に入りで、大切なものをいれて、いつも大事に抱えていた。この家のことはほとんど覚えていない妹も、この缶だけは印象にのこっていたみたいだ。



さまざまなビーズの下に、1枚の写真があるのを見つけた妹は、「あ。」と声をあげた。
写真には、父、母、ボクと妹、の4人が写っていた。夕飯だろうか?カレーライスを食べながら、みんなキラキラと笑っていた。


そうだった、妹は、この写真が特にお気に入りだった。だから、写真たてに飾ってあったのをこっそり抜いて、この缶にしまっていたんだった。父も母もボクもみんなそれを知っていたけど、見て見ぬ振りしていたっけ。
ああ、そうだった。
懐かしいなあ。



ボクと妹は、そのお気に入りの缶を持って帰りの電車に乗った。
隣に座る妹は、いつになくご機嫌だった。

2/17/2026, 4:34:46 AM

そもそも、ボクたちに優劣なんてないんだけど、誰かと比べてできないことが、ボクには多すぎるんだ。

待ち合わせには必ず遅れるし、昔から宿題とか提出物は必ず忘れるし、何か食べればこぼすし、歩けば転ぶ、なんにもないのに。…てな感じで、いままでよく生きてきたなって自分でも思うよ。助けてくれた家族や恩師や仲間たちに感謝だね。 




そんなボクなんだけど、実は誰よりもできることがあるんだ。ずっと秘密にしていたんだけどね。


それはね、空気を読むこと。
正確には、空の気を読んで、話ができるの。
うーん、表現が難しいね。



例えば、
遠足の日は、みんな晴れて欲しいでしょ?前の日の帰り道、ワイワイ話してるみんなの横で、ひっそり空を見上げて、明日の天気を読むんだよ。でね、雨だったときは、お願いするんだ。明日遠足だから、晴れにして欲しいなあ、って。
ボクの話をきいて、「気」たちは、さわさわふわふわそよそよ、と流れどどまりながら考えてくれて、つまるところ、晴れ、にしてくれるんだよ。たまーに、機嫌が悪くてさ、叶わないときもあるけど、だいたい望んだ天気にしてくれるんだ。



空の気たちは、とっても優しいんだよ。
いつもボクたちを見守ってくれてる。
大雨のときも、台風や強風のときも、逆に雨が降らず困るようなときも、彼らなりのおもいがあるんだよね。



なかなか理解してもらえないだろうし、
天気なんて偶然だよ、とバカにする人もいるだろうから、内緒にしていたんだ。
キミなら話しても大丈夫と思ったから、初めて言ったよ、ボクの特性。
ありがとう!聞いてくれて嬉しいよ。




明日はスキーだね。楽しみだ。
少し雪が少なめだって、言ってたよね。
よし、雪を降らしてもらえるか、気たちに聞いてみるよ!

2/16/2026, 2:40:01 AM

まず 最初に
私は ″10年後のあなた″ です

信じられないかもしれませんが
本当です


ちゃんと 生きてますよ
安心してね
しかも 案外 しあわせ です




いまのあなたは
先が見えなくて
苦しくて
早くいなくなりたい
と 毎日 泣いているでしょう

なんで私ばっかり
なんで なんで なんで
と 誰にも言えない おもいを
胸いっぱい 抱えているでしょう

つらいね
つらすぎるよね


詳しいことは
書かないけれど、
もう少しだけ
頑張って生きていてください


必ず
必ず
光がみえてきます


いまは
真っ暗だけど 
あなたがみえないだけで
いつも 守られています


大丈夫 なの
本当に 本当に



だから
いま あなたがおもったこと
やってみて!
窓開けようかな
とか
コーヒー飲みたいな
とか
本棚のマンガ手に取ろうかな
とか
眠いから横になろう
とか


何でもいいの
いま やりたいこと
叶えてみよう
あなたの 望みを
わずかなことでも
叶えてあげよう


この手紙が
インチキだから
破り捨てたい!
って感じたら そうしてもいいの


~してはだめ
ではなくて
~していい を 
たくさんたくさん増やそう



10年後のあなたは
空を見上げるのが好きです


いまの あなたの空は
どんな色をしていますか?


では
また書けたらお手紙出しますね



10年前の私へ
10年後のあなたより







2/15/2026, 6:57:31 AM

バレンタインの翌日、ボクは毎年売れ残ったチョコレートを買って食べることにしている。


今年は、食材を買うために立ち寄ったスーパーのおつとめ品コーナーにそれらを見つけた。チョコレートやクッキーがたくさん積み重ねてあり、ボクはその中で1番大きくて安いチョコレートを選んだ。




今日は、寒さも和らいで、ぽかぽかした春の陽気だったから、ボクは帰り道の公園でチョコレートを食べることにした。
休日のため、親子連れや子どもたちで賑わっていたけれど、ラッキーなことにボクのお気に入りのベンチは空いていた。そこに座り、チョコレートをガサゴソと袋から取り出す。可愛らしいパッケージをぺりぺりとめくり、さっそくパクリ、とほおばる。


うむ。あまい。


バレンタインのチョコレートは、バレンタインが終わっても味は変わらない。
スーパーにまだ売れ残っているチョコレートたちの行く末はどうなるのだろう?と思いつつ、一気にチョコレートを食べ終えたボクは、ふうっ、とため息をつき、空を見上げた。



実は、ボクは甘いのが苦手だ。
だから、バレンタインにチョコレートをもらっても正直嬉しくない。そもそも、バレンタインにチョコレートをボクにくれる相手はいないのだけど。いままでずっと。 
だけど、なんとなーく、バレンタイン、というものを味わってみたくて、毎年こうやって余ったチョコレートをバレンタイン翌日に食べることにしている。




今年のバレンタインも、無事味わったので、ボクは公園を後にすることにした。
さて、夕飯はカレーでも作るかな。

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